政府は6月にまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」に、健康保険証をマイナンバーカードに一体化させた「マイナ保険証」の利用を促すことで、将来的に現行の保険証の原則廃止を目指すことを明記する方向で検討に入った。関係者が23日、明らかにした。
マイナ保険証は政府が力を入れているマイナンバーカード普及に向けた方策の一つ。2021年10月から本格的な運用が始まった。政府は患者の健康情報を治療に生かす「データヘルス」の基盤として位置付ける。骨太方針には、23年度から全国の病院や診療所、薬局に対し、マイナ保険証を利用するための読み取り機の導入などを義務付けることも盛り込む考えだ。
医療機関でマイナ保険証を読み取り機にかざせば、本人確認ができる。医師らが患者の同意の下、薬の処方歴や特定健診の結果を見て治療に生かすことができる。これにより厚生労働省は、正確な記録に基づき「患者がより良い医療を受けられる」とメリットを説明している。
政府はマイナ保険証の利用促進を図るため、23年3月までに全国の病院や診療所、薬局の計約23万施設に読み取り機などの導入を目指している。今年5月15日時点で、このうち運用を開始した施設は約4万カ所(19%)。目標達成は困難な情勢となっている。
(共同通信社)