ビジネスコーチ株式会社 取締役副社長
四六判/294ページ/2200円+税/日本経済新聞出版
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 高速かつ激しい事業環境変化を生き抜くためには、「自律的な人材」、つまり"自ら考え、自ら行動でき、自ら成果を生み出すことができる人材"が求められる。そして、自律的な人材の育成に有効なアプローチの一つが「ビジネスコーチング」であると筆者は説く。本書は、1万時間を超えるセッション・研修実績を持つ、ビジネスコーチの第一人者である筆者が、その経験から得られたビジネスコーチングの「実践知」をまとめた書籍である。
■ 本書は全10章から構成され、ビジネスコーチングの概要を解説した第2章や、"対経営者""対管理職"など対象別に行われるビジネスコーチングの分類を説明した第4章など注目点は多い。その中でも中核となるのは、第6章「ビジネスコーチングのアプローチ――基本スキルとメソッド」である。ビジネスコーチングのプロセス全体を「1:思考を変える」「2:行動を変える」「3:成果につなげる」の三つのフェーズに分類し、具体的な質問例や特定の状況を想定した事例による演習を織り交ぜながら、ビジネスコーチングの基本スキルを学べる構成となっている。
■ 本書は、プロのビジネスコーチとして活動している人やこれから目指す人だけに向けたものではない。「自律的な人材の育成」という観点から見れば、人と組織の可能性を最大限に引き出したいと考える人事担当者にとっても、非常に参考になる考え方を数多く紹介している。短時間でもエッセンスをつかめる各章末の「ポイント」や「簡単なワーク」も活用しながら、自社の人材育成研修などに取り入れてみてはいかがだろうか。
内容紹介 スティーブ・ジョブズ氏、ラリー・ペイジ氏ら多くの名経営者を導いたコーチの姿が描かれ話題となった『1兆ドルコーチ』。アジア人初のマスターズ制覇という偉業を成し遂げた松山英樹選手を導き注目を浴びた目澤秀憲コーチ。結果を出す人達の陰には、適切なアドバイスや客観的なフィードバックにより個々の才能を開花させる優れたコーチが存在する。 |