2022年06月24日掲載

BOOK REVIEW - 『Future of Work 人と組織の論点』

コーン・フェリー・ジャパン 編
四六判/312ページ/2000円+税/日本経済新聞出版 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 2020年以降、新型コロナウイルスの感染拡大により世の中は激変した。こうした変化は、ビジネス環境はもとより、われわれの働き方にも多大な影響を及ぼしたが、それは必ずしも悪いものばかりでなく、ポジティブな変化も生まれている。今後もコロナ禍に匹敵する変動や環境変化が起きる可能性がある中で、コーン・フェリー・ジャパンの代表を務める滝波純一氏は、「ラーニング・アジリティ*がカギとなる」とし、日本および世界で起きている変化と最先端の思想・取り組みを知ることが重要だと指摘する。
※ラーニング・アジリティ:「正解がない中でも素早く正解にたどり着く」ために、率先して新しいことを試す、リスクを恐れず、失敗してもそこから素早く学びを得る――といった、性格的な特性を包含した概念

■ 本書は、働き方の未来を考える上で押さえておくべき論点を六つのテーマで紹介する。序章において仕事と組織の未来の構想について触れた後、Chapter1~6では、①日本企業の雇用の行方、②時代が求めるリーダーシップ、③経営体制の改革、④日本企業の組織風土の活性化、⑤DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)、⑥自律的なキャリア開発――というテーマを取り上げ、各分野における豊富な知見を有する同社のコンサルタント陣が解説していく。各テーマの現在に至るまでの流れや調査・研究を概観した上で、"ジョブ型人材マネジメント""コーポレート・ガバナンスコード"といった最新の動向に触れることで、今後の在るべき姿を考えるためのヒントを提示がされている。

■ ここで紹介されている6テーマは、経営者や管理職、人事担当者だけでなく、働く個人としても役立つものといえる。各組織・各人の未来は画一的でないものの、今現在、日本や世界で起きている変化を知ることは、今後を見通すための第一歩ではないだろうか。ぜひ、本書を手に取り、未来を考えるきっかけとしてほしい。

Future of Work 人と組織の論点

内容紹介
経営体制、雇用形態、リーダー像など、「働き方」をめぐる常識の変化に企業はどう対応すべきか?
働き方の未来を考えるうえで押さえておくべき、日本および世界で起こっている変化や最先端の思想・取り組みを紹介する。

世界最大規模の組織・人事コンサルティング会社コーン・フェリーが
新時代の「人と組織の論点」を提言。
経営体制、雇用形態、リーダー像、DE&I、エンゲージメント等、
「働き方」をめぐる常識の変化に企業はどう対応すべきか?
働き方の未来を考えるうえで押さえてくおくべき論点を6つのテーマから紹介。

コロナ禍によるビジネス環境の変化は個人や企業の対応力や適応性の差をあぶり出した。いま日本企業が学ぶべき、世界最先端の潮流をコーン・フェリーが提示する。