人材組織育成コンサルタント、フロネシス・マネジメント代表
四六判/208ページ/1500円+税/つた書房
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 従来の企業ではピラミッドのような"階層型組織"が主流だった。しかし、こうした組織構造は安定性に優れる一方で、意思決定に時間を要したり、個々人の主体性がそれほど求められなかったりと、変化の激しい現代においてはデメリットも目立つようになっている。そこで近年増加しているのが、横のつながりを重視する、フラットで比較的規模の小さな"チーム型組織"である。本書は、1万4000人を超える人材育成支援の経験を持つ著者が、特に中小企業に向けて、成果が出るチーム型組織のつくり方をプロセスに沿って解説した一冊である。
■ 本書は全6章の構成で、第1章では人材採用の難しさなど中小企業の悩みに触れる。第2章では目標のつくり方やモチベーションの引き出し方など、チームをつくる準備について解説し、第3章で強いチームづくりのステップを概観する。第4章ではステレオタイプなリーダー観を払拭し、新しい時代に即したリーダーの育て方を説明し、第5章はチームメンバーの育て方を"フォロワーシップの高め方"という観点から見ていく。そして最終章となる第6章では、チームを維持するために必要なポイントを解説している。
■ 「人材育成や組織強化に取り組みたいけど、大企業のようなリソースがない」と考える中小企業の人事担当者は多いのではないだろうか。しかし本書は、組織づくりを進める上では中小企業ならではの魅力があること、そして中小企業にこそチーム型組織が向いていることを、理由を含め詳しく解説している。もし、自社においていまだ上意下達の従来型組織がはびこっており、そのため指示待ちの社員が多いといった現状ならば、強い組織づくりの参考としてぜひ本書を活用していただきたい。
成果が出るチームをつくる方法 チームをつくれば指示なく人は動く 内容紹介 会社の人材育成に関して以下のように考えてはいませんか? |