A5判/236ページ/2400円+税/ダイヤモンド社
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 会社の研修を受講した際、研修に対する満足度や感想などを書き込むアンケートに回答したことがある人は多いのではないだろうか。こうしたアンケートは研修の効果測定(研修評価)のために実施するものであるが、この20年間、研修評価の方法は何一つ変わることがなかったと著者らは指摘する。そこで、本書では「研修評価」をアップデートすることを目指し、アカデミックな知見に根ざしつつも、実践的な研修評価の手法を提案する。
■ 研修のゴールは、個々人の学びや発達自体ではなく、あくまでも参加者が研修で学んだことを職場で実践(研修転移)し、実践を通じ経営・現場にインパクトをもたらすことである。その意味で、研修評価は日々の経営活動や現場改善に役立てるために実施するものだということができる。本書はこの点を強調し、これからの研修評価の在り方として「混合評価」というフレームワークを提示する。これは、①定量データと定性データ、②研修直後データと研修転移データを組み合わせた手法である。本書の第1部では、この「混合評価」とはどういうものか、どのように進めるのかを解説する。
■ 研修をやりっぱなしにせず、「経営・現場にインパクトをもたらす」ためには、「研修転移(現場での実践)」を促すことが重要である。そこで、第2部は「研修転移編」として、現場のマネジャーや経営層をどのように巻き込んで研修転移を促すか解説していく。本書で紹介されている「混合評価」「研修転移」という考え方・手法は、研修の設計・運用に携わる担当者としては、ぜひ知っておきたい内容だといえるだろう。
研修開発入門 「研修評価」の教科書――「数字」と「物語」で経営・現場を変える 内容紹介 ニッポンの「研修評価」をアップデートせよ! |