2022年07月08日掲載

BOOK REVIEW - 『amazonのすごい人事戦略』

佐藤将之 著
エバーグローイングパートナーズ代表取締役、事業成長支援アドバイザー 
四六判/336ページ/1600円+税/東洋経済新報社 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ アマゾンは1995年にシアトルで誕生し、創業からわずか20数年で時価総額世界一の巨大企業となった。同社がここまでの巨大企業となり、現在も成長し続けている理由は、よく考え抜かれ、見事に機能する「人事制度」のおかげであると筆者は述べている。本書は、アマゾンジャパンの立ち上げメンバーとして勤務した経験を持つ筆者が、同社の人事制度の仕組みを解き明かしていくものである。

■ アマゾンには、14項目から成るリーダーシップ理念「Our Leadership Principles(以下、OLP)」がある。OLPは「顧客へのこだわり(Customer Obsession)」から始まり、「広い視野で考える(Think Big)」「質素倹約(Frugality)」などを掲げた行動の規範、価値判断の基準であり、すべてのアマゾニアン(アマゾンで働く人)が行動する上での根幹としている。本書では、冒頭の第2章でOLPを丁寧に解説したあと、同社で生まれてきた多くの標語にも触れながら、採用や人材育成、目標設定・評価、リーダー研修など、同社の人事制度の全般を紹介する。

■ アマゾンの人事担当者は、自分たちHR部門の使命が「文化を育むこと(Cultivate Culture)」であると述べているという。このように、同社の文化の根源となるものは、企業理念やビジョン、ミッションであり、これらを徹底的に人事制度に活用することで会社の文化が醸成されていると筆者は語る。世界一の企業の人事制度を読み解き、自社の人事制度をつくり上げていく"参考書"として、本書をぜひ活用いただきたい。

amazonのすごい人事戦略

内容紹介
アマゾニアンの行動・思考の規範「OLP」、採用に絶対的な権限を持つ「バーレイザー」…。社員と組織が最高のパフォーマンスを発揮し持続的に成長し続ける、amazonの人事の仕組みを解き明かす。

世界最強企業amazonの採用・育成・目標管理がこれ一冊でわかる!

アマゾニアンの行動・思考の規範「OLP」
採用に絶対的な権限を持つ「バーレイザー」
毎年20%成長を実現する「メトリックス文化」
週単位で軌道修正を実現する「One on One」
能力に応じて適正に配置する「9ブロック」 ………他

社員と組織が最高のパフォーマンスを発揮し持続的に成長し続ける、ジェフ・ベゾスが考えた究極の仕組み!