2022年07月22日掲載

BOOK REVIEW - 『チームづくりの教科書 マネジメントのめんどくさいをすべて解決する』

高野俊一 著
組織開発コンサルタント 
四六判/245ページ/1500円+税/アルファポリス 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 本書は、組織開発コンサルタントとして2万人以上のビジネスリーダーを指導してきた著者が、リーダーが抱える悩みを解決するためのチームづくりの技術を凝縮した一冊だ。チームづくりを「強いチームをつくる」「強いチームであり続ける」「強いチームのリーダーとなる」という三つのフェーズに分け、その途中に立ちはだかる問題を六つの"壁"と表現する。これらの壁を乗り越えるための六つのステップを、全6章で体系的に解説していく。

■ まず、強いチームをつくるフェーズとして、"やらされ感の壁"を越えるための「『目標』を掲げる」、"感情の壁"を越えるための「『関係性』をつくる」というステップを第1章と第2章で取り上げる。チームメンバーが目標達成を目指すようにするための導き方や、目標の立て方を解説し、部下との関係性をつくる五つのステップなどの手法を紹介する。次に、強いチームであり続けるフェーズとして、"受け身の壁"を越えるための「『主体性』を引き出す」、"抵抗勢力の壁"を越えるための「『弾み車』を回す」、"弱体化の壁"を越えるための「『勝手に成長する』仕組みをつくる」ステップを第3章から第5章で扱う。強いチームの例として青山学院大学陸上競技部やソフトバンク社などを挙げ、目標管理手法や加点主義の考え方など、具体的な手法を豊富に紹介する。

■ 最後に、強いチームのリーダーになるフェーズとして、"人間性の壁"を越えるための「『リーダーシップ』を磨く」ステップを第6章で示す。第5章までのチームづくりの施策を実行するために、リーダーの人間性は重要な要素であるとする。著者は、ビジネスの現場での経験から、業績の良い企業でさえチームづくりに成功しているとは限らないと述べる。チームづくりという難しい課題を前にしたリーダーにとって、ヒントのつまった一冊だ。

チームづくりの教科書 マネジメントのめんどくさいをすべて解決する

内容紹介
「チームづくり」ができれば、部下、上司、他部署、顧客とのトラブルがすべて解決する! 「自分のチームを強くしたい」と考えるリーダーに向けて、チームづくりの方法を体系的にわかりやすく解説する。

成績が振るわない。メンバーが互いに無関心で、いっさい協力し合わない。仕事を作業と思っており、楽しそうに働いていない。結果として離職者が多く、人の入れ替わりが激しい……。
これらは、日本の多くの職場で見られる光景です。こうした環境に疲弊し、働くことに希望を見出だせない人が増えています。
この絶望的な状況を変えられる唯一の方法が、「チームづくり」です。チームづくりがうまくいけば、すべてが劇的に変わります。本書には、部下も会社もあなた自身もラクにする、チームづくりのノウハウが詰まっています。