四六判/296ページ/1700円+税/アルク
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 日本経営協会が2020年に実施した「日本のミドルマネジャー意識調査」では、9割弱のミドルマネジャーがプレーヤーとしての担当業務を持ちながらマネジメント業務を行っている状況にあり、業務負担感も増していることを明らかにしている。このように、ポジションゆえのストレスや悩みが多いとされる中間管理職だが、組織の真ん中におり全方位的に働き掛けができる「ラッキー」なポジションであると、米P&G社の経営幹部を経て、インディアナ大学ケリー経営大学院で教鞭をとる筆者は指摘する。こうした認識の下、本書は全9章にかけて、中間管理職が力を発揮するための豊富なヒントを提供していく。
■ 1~3章では、中間管理職が置かれた状況や求められていることを俯瞰する。中間管理職ならではの悩みやその対処方法、中間管理職が組織を動かすために必要なリーダーシップ思考・スキルについて、具体例やチェックリストも用いながら解説する。4章は「上司を導く」と題し、上司と強固なパートナーシップを築く方法について、人間関係を築くための6ステップに分けて見る。5章の「部下を導く」は、部下の改善点を特定するための考え方や指導すべきタイミングに気付くための項目などを説明する。
■ 6章は優秀チームの共通点を列挙した上で、テレワークなどの状況も踏まえたチームの導き方、続く7章は組織においてヨコの関係となる"チーム外の同僚"に影響をもたらす方法を紹介し、8章で変化を主導する(組織を上下左右に導く)スキルをまとめる。9章では、これまでに紹介した各種ヒントを一覧表にし、中間管理職の行動計画立案のためのフレームとして用いることで、理論から実践へ移行する上での手助けをする。中間管理職のみならず、組織変革に取り組む人事実務担当者にも手に取ってもらいたい一冊だ。
内容紹介 上司がいて・部下がいる、いわゆる「中間管理職」は、そのポジションゆえにストレスの多い日々を送りがちです。 |