2022年07月22日掲載

BOOK REVIEW - 『知らないと損する労働法の超基本』

石井孝治 著
社会保険労務士 
四六判/272ページ/1400円+税/日本実業出版社 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 「働き方のルール」を定める労働法。人事労務担当者はもちろんのこと、経営者や現場の管理職も、労働法の基本を抑えておくことは大切だ。しかし、「労働法」と一言でいっても、含まれる法律は労働基準法や労働契約法、労働組合法、男女雇用機会均等法など範囲が多岐にわたる上、複雑で難解な内容も少なくない。そこで、本書では初めて労働法を学ぶ方に向けて、「知らないと損する」内容をピックアップした「労働法の"超"基本」となる事項について、ストーリー仕立てで解説する。

■ 本書は長谷川フーズという架空の会社を舞台とし、主人公である白石ツバサが人事労務担当として奮闘する姿を、社長や同僚との会話を通じて描いている。ツバサが労働環境の整備に当たる中で出てきた疑問点や問題点について、労働法で定められている基本事項を確認しながら一つひとつ解決していく、という流れで話は進む。ここで取り上げる内容は、採用時の労働条件の通知や就業規則の作成など、労働条件全般に関するものをはじめ、労働時間・休日、賃金に関する基本事項など幅広い。また、ハラスメントへの対応や、仕事と家庭の両立支援、副業・兼業などの近年のホットトピックについても押さえることができる。

■ 本書の特徴は、難しい法律用語は使わずに、できるだけ平易な言葉で解説がされている点である。ツバサと同僚との会話を読み進めていく中で、労働法の基本的な考え方や知識が自然と身につくはずだ。「労働法の概要をサクッと理解したい」という方にオススメしたい一冊である。

知らないと損する労働法の超基本

内容紹介
◆ストーリーでサクッと「働き方のルール」がわかる!
総務・人事・労務などの仕事に携わっていて労働法を学びたい、働いてはいるけれどいまいち労働法がわかっていないという方が、楽しく学べるようにストーリー仕立てで知っておきたい労働法の基本をまとめました。やっとの思いで転職した主人公ツバサが、長谷川フーズで長らく後回しにされてきた労働環境の整備を任され、戸惑いながらも労働法を学んでいきます。ツバサたちの会話を楽しむうちに自然と知識が身につきます。

◆賃金、休暇、副業まで、意外とわかっていない労働法のポイントがわかる!
・電話番をしながらのお昼休みって休憩と言えるの?
・試用期間が1年以上ってアリ?
・育休中もお金がもらえるって本当?
・子どもが病気のときに使える有給休暇以外の休みって何?
・固定残業代だと何時間でも残業しなくちゃダメ?
・テレワーク中のケガって労災になる?
――など、身近にあるテーマを取り上げています。「これ、自分も該当するかも」と思えるテーマがきっとあるはずです。

◆すべての働く人に知ってほしい身を守るための知識満載!
在宅勤務が増えてオンラインでしか社内の人に会えなかったり、ランチや飲み会で情報交換する機会が減ったりしていることにより、今まで意識しなくても活用できていた労働法が、自分が知っていて声をあげないと活用できないものになってきています。自分はもちろん、自分の周りの人のことも守るために、労働法を学んでみませんか?

管理部門で働く人はもちろん、働きはじめたばかりの人、仕事と育児や介護の両立に悩んでいる人、部下を持ったばかりの人などの役に立つ一冊です。