合同会社エンジニアリングマネージメント社長、慶應義塾大学大学院政策メディア研究科博士
A5判/224ページ/2000円+税/かんき出版
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ DX推進に多くの企業が取り組む中、非IT企業においても「ITエンジニアを採用したい」というニーズが高まっている。しかし、DXを達成し、企業のアップデートを果たすためには、ITエンジニアを採用するだけでなく、入社後のサポートも不可欠であると著者は指摘する。そこで、本書は経営層や人事担当者に向けて、ITエンジニア採用のポイントだけでなく、採用後にどう定着させ、活躍してもらうかまでを網羅的に解説する。
■ 本書ではまず、採用に向けた下準備として、どのようなことを検討すべきかを整理していく。例えば、企業・事業のミッション・ビジョンを明確にし、自社の売りは何かを定め、自社のITエンジニア像を設定して、採用プロセスを決定するなど、検討すべきポイントは多い。その上で、ITエンジニアに適した採用手法や、面接の前段階で実施するカジュアル面談のポイント、面接時に確認しておきたい事項を解説する。そして、実際に採用した後のフォローとして、オンボーディングの実施、現場で起こりがちな"テクハラ(テクノロジーハラスメント)"への対応、ITエンジニアに適した評価制度などを取り上げていく。
■ ITエンジニアの獲得が難しい場合、採用以外の選択肢を検討することも必要となるだろう。そこで、本書後半では社外リソースを活用する際の注意点や、社内でのITエンジニア育成、キャリアチェンジなどについても触れていく。ITエンジニア採用・マネジメントの実態に詳しい著者が紹介する知見やノウハウは、いずれも実践的なものばかりである。ITエンジニアの置かれている環境や、彼らの特性を知る上でも参考となるだろう。ITエンジニア採用で悩みを抱える企業にぜひ手に取っていただきたい一冊である。
内容紹介 少子化とDXの流れによってITエンジニア不足が加速しています。DXの達成や企業のアップデートを達成するためには、ITエンジニアの採用だけではなく、自社に定着してもらう組織づくりも必要ですし、入社後に活躍できるようサポート体制の施策も必要です。 |