A5判/304ページ/3500円+税/第一法規
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 人事・労務に関するさまざまな問題の中でも、退職や解雇、雇止めは、"企業と社員の雇用関係が解消される"という点において極めて重大な事柄であり、それゆえトラブルに発展するケースも多い。本書は、人事・労務分野の法律実務に精通した弁護士が、退職や解雇に関して想定される多様なケースについて、対応方法を解説したものである。
■ 第1章で退職・解雇・雇止めに関する基本的な法制度の概要に触れた後、第2章では正社員の退職・解雇、第3章では有期雇用労働者に関する契約終了について、対応方法を解説している。「営業成績が悪い社員に退職を勧める場合どのように対応したらよいか」「高い能力を期待して中途採用した社員を解雇するにはどうすればよいか」など、実務上起こりやすい計22の具体的なケースを取り上げているので、実際の場面を想定しやすいだろう。
■ 本書の最大の特徴は、各ケースの対応を、「基礎知識」「初動対応」「中間対応」「最終対応」という具体的な「シーン」に分けて、段階ごとに解説していることだ。各シーンの冒頭では、その状況下における関係者の行動例が対話形式で示される。退職や解雇に関しては、慎重かつ長期にわたる対応が必要となる場合が多いため、順を追った詳細な対応が理解できる点は心強い。また、各シーンの末尾には、対応方法の要点を示した「対応の勘所」を置いているほか、対応すべきポイントをまとめたチェックリストや、関連する数多くの裁判例を掲載しており、抜け漏れなく実務を進めるための工夫が施されている。トラブルを回避しつつ円滑に業務を進めるために、頼りになる一冊である。
ケースでアドバイス 退職・解雇・雇止めの実務 内容紹介 退職・解雇・雇止めの実務対応において想定される課題について、対話形式から始まる初動、中間、最終の段階別解説により、状況に応じて次段階の対応に備えるためのトラブル回避の勘所がわかるようになる書籍。重要な書式ひな型等はダウンロード可能。 |