株式会社人材研究所代表取締役社長
四六判/228ページ/1600円+税/日本能率協会マネジメントセンター
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 採用活動において「採用面接」の占める意義は大きい。候補者の人となりや仕事・キャリアへの考え方、学生生活の経験など多くの情報を得ることができ、現在、ほとんどの企業で実施されている。このように採用面接はポピュラーな手法であるものの、やり方次第では評価の精度が高いものとはならないこともあり、面接時の評価と入社後の人事考課にはあまり相関がないともいわれている。本書は、この採用面接の精度を上げ、質の高い採用を実現するための「100の法則」を紹介する一冊だ。
■ 第1章では、面接に対する「常識」論の是非を考える。学歴フィルターや面接者の選定、自己PR、企業研究などのテーマについて、一般的な常識と思われていたことが通用しなくなっている現状に気づかされる。第2章は、円滑な対話を実現する面接コミュニケーション術を解説している。候補者の緊張のほぐし方や雰囲気のつくり方、情報の引き出し方など、実際の面接の場で活用できるテクニックも紹介されており、参考となるだろう。第3章では、採用基準の設定として、人材を評価する際のポイントをまとめている。採用面接において、企業が求める人材かどうかを適切に見極める上で、本章で記されている内容は一読する価値があるものだ。第4章のテーマは候補者の動機形成であり、企業が候補者の入社意思を醸成することの必要性が説かれている。最終第5章では、採用戦略の立て方を取り上げ、適性検査や提出書類の検討など面接以外の採用手法も含めて解説する。
■ 著者は人事の実務家として、また人事コンサルタントとして多くの面接を担当してきたが、それでも「面接は難しい」と感じているという。人が人を評価することの難しさを知っている著者だからこそ、採用面接において重要なことは何かを熟知しており、その知恵が詰め込まれた本書は、強く実務担当者にお勧めしたい一冊である。
内容紹介 採用活動における「面接」は、最もポピュラーな採用選考の方法です。 そこで、本書では採用面接にかかわる人々へ向け、採用の現場に長年携わって2万人以上の人材と面接してきた著者が、自身の知見と学術研究を踏まえて面接の実態と本質と解き明かし、「よい採用のための面接」について100の提言をまとめました。 |