2022年08月26日掲載

BOOK REVIEW - 『最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55』

原田将嗣 著/石井遼介 監修
株式会社ZENTechシニアコンサルタント/同取締役 
四六判/306ページ/1500円+税/飛鳥新社 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 米Google社のプロジェクトが「チームの生産性・パフォーマンスを高める唯一の要因は心理的安全性である」との結果を公表して以来、「心理的安全性」は大きな注目を集め、バズワードとなっている。本書は、「誰もが率直に、思ったことを言い合える」という「心理的安全性」をつくるために筆者が実践してきた55の言葉について、心理的安全性の四つの構成要素「話しやすさ(話)」「助け合い(助)」「挑戦(挑)」「新奇歓迎(新)」に分類した上で、解説していくものだ。

■ 心理的安全性をつくる言葉の各冒頭ページでは、上記4要素のうち、どの要素が高まるものであるかを一目で把握することができるアイコンを付している。さらに、その言葉を使用する場面を具体的に挙げた上で、相手の行動を促す「きっかけ言葉」、相手の行動や結果を受け止めるための「おかえし言葉」に分類している。例えば、会議中にチーム内でアイデアが出ないときなど、「当てていくので、ひとり1アイデア話してね」といった言葉を使いがちだ。しかし、「話しやすさ(話)」を高めるために、「きっかけ言葉」として「少し時間をとるので、いったん書き出してみよう」という「セルフブレスト」を促す言葉に代えることを提案する。

■ 本書で取り上げられる55の言葉は、「チームの土壌をつくる」「会議を活性化させる」「1on1が楽しみになる」「チャレンジフルなチームをつくる」「お客さまと取引先をパートナーに変える」「ピンチをチャンスに変える」といった6テーマに分けられる。そのため、"今自分に必要な場面の言葉"のみを探して読み進めることもできるだろう。メンバーへの声の掛け方に悩む人、部下をもつ管理職、自社の組織マネジメントの改善を考える人事担当者などにおすすめしたい一冊だ。

最高のチームはみんな使っている 心理的安全性をつくる言葉55

内容紹介
仕事のあらゆるシーンで使える!
いま大注目の「心理的安全性」を取り入れるなら、本書の言葉から

いつものひと言を変えることで……
会話が増える!
チャレンジが始まる!
チームが変わる!

「言い換え」でわかりやすくお伝えします!
× じゃあ任せたから、頼んだよ → 〇 誰に相談すると進みそうですか?
× ムリでしょ → 〇 その視点はなかった!
× 仕事は増えるけど頑張ろう → 〇 やめたほうがいい仕事ってなんだろう?

「多くのリーダーが変化を体感した言葉が厳選されています」
ベストセラー『心理的安全性のつくりかた』著者 石井遼介