2022年09月09日掲載

BOOK REVIEW - 『ケースでアドバイス 労働時間・休日・休暇の実務~テレワーク時代でも迷わない判断のポイント』

松原煕隆 著
特定社会保険労務士 
A5判/424ページ/3200円+税/第一法規 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 2019年4月から順次施行された働き方改革関連法では、時間外労働の上限規制、勤務間インターバル制度の努力義務化、年次有給休暇の年5日取得義務などの法改正が行われた。これらの法改正への対応はもちろんのこと、仕事と育児の両立、副業・兼業、テレワークの普及など、労働者の働き方が大きく変わっていく中、自社の労働時間制度を改めて見直す必要性も出てきている。こうしたニーズも踏まえ、本書では「労働時間、休日、休暇」の基本と、実務上のポイントを解説する。

■ 本書は二つのパートで構成されており、第1章が基本解説、第2章がQ&A形式での実務解説となっている。基本解説では、法令や通達の内容、裁判例で示された重要な判断などを紹介しながら、労働時間・休日・休暇の基本的な取り扱いを解説していく。その上で、Q&A編において、実務上よく起きる判断に迷う事項をケース別に詳述している。Q&A編は「通勤~始業」「休憩」「残業」「休日・休暇」「休業(妊娠期/育児・介護休業/職場復帰)」「在宅勤務・テレワーク」の6テーマに分けられており、計50以上ものQ&Aが収録されている。

■ 本書は単なる法解説にとどまらず、実務上押さえておきたいポイントが随所に盛り込まれている。また、規定例や書式例が豊富に紹介されており、ダウンロードサービスも用意されているのが魅力的だ。労働時間管理に携わる人事担当者に、ぜひ手に取っていただきたい1冊である。

ケースでアドバイス 労働時間・休日・休暇の実務~テレワーク時代でも迷わない判断のポイント

内容紹介
労働時間、休日、休暇に関する基本的な法解釈と実務で判断に迷った場合の「判断のポイント」がわかる一冊。

労働時間、休日、休暇に関する法制度について、「テレワークガイドライン」も踏まえて解説。また、場面別に判断に迷う代表的なケースを想定事例として設定し、会社や従業員への影響などを踏まえた「判断のポイント」を解説。主要な協定等はダウンロード可能。

〇コロナ禍によるテレワークの普及など、働き方の多様化により、判断が難しくなった労働時間、休日、休暇等の実務について、厚生労働省「テレワークガイドライン」(2021年3月改正)にも対応した基本解説で、法制度や取扱いがしっかりわかる。
〇労働時間に関する制度は多岐にわたるため、人事労務担当者に寄せられる社内からの様々な問い合わせに対応できるよう、労働時間、休日、休暇等について判断に迷う代表的なケースを想定事例として設定し、基本的な法解釈と会社や従業員への影響などを踏まえた「判断のポイント」を解説することで、実務における判断の基礎力が身につく。