2022年09月09日掲載

BOOK REVIEW - 『チームが変わり生産性が劇的に上がる! 心理的安全性の築き方見るだけノート』

山浦一保 監修
立命館大学スポーツ健康科学部教授
B5変型/224ページ/1982円+税/宝島社 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 組織・人事領域においてバズワード化した"心理的安全性"。その重要性は多くの企業が認識しており、心理的安全性の構築に取り組み始めるケースが増えている。しかし、考え方自体は理解できも、実際の組織・チームで心理的安全性を高めるノウハウが十分に蓄積され、実践されている状況とはいえないのではないか。本書は、まさにそのノウハウを多角的な視点で解説する一冊である。

■ 本書では、「共感デザイン」「価値デザイン」「リーダーの取り組み」「メンバー同士のコミュニケーション」「リモートワーク」の観点から、心理的安全性を築くための法論を紹介している。このうち、共感デザイン(他者に共感する感覚を自然体で取り戻すことで、職場でも対話や他者の尊重を可能にするもの)と価値デザイン(パーパスを共有し、第三案を建設的に共創し、場に安心感を生むことで、メンバーの意識を価値創造へ向けさせる)という2側面からの取り組みは、ある種"なんとなく分かっていること"ではあるが、そのロジックが言語化され、体系的にまとめられている点で実用性が高い。また、本書では組織・チームのリーダーとメンバーの両者がなすべきことも解説されており、人事を始めとする多くのビジネスパーソンに響くのではないだろうか。

■ 書籍のコンセプトから本書の特徴を挙げるとすれば、①1テーマ=見開き2ページで簡潔にまとめられており、知りたい情報をピンポイントで手軽に理解できる点、②イラストを多用して具体的な状況をイメージしながら読み進められる点――だろう。「見るだけノート」シリーズの1冊として、読みやすさ・理解しやすさ・実践しやすさへの丁寧な配慮が感じられる。また、幅広いテーマの選定と要点を押さえた解説から、情報量・質ともに満足度の高いものとなっており、多くの方に手に取っていただきたい一冊だ。

チームが変わり生産性が劇的に上がる! 心理的安全性の築き方見るだけノート

内容紹介
社会的感受性、見える化、パーパスの共有、リーダーシップ、聴くスキル…。チームの生産性を上げるために最も大事な概念「心理的安全性」の築き方を、豊富な実践方法とともにイラストでわかりやすく紹介する。

Googleやメルカリも注目!結果を出す最強チームのつくり方。会議で活発に意見が飛び交う。不正や不祥事を防ぐ。チャレンジが増える。人材の定着率アップ。生産性アップ。個性を活かしイノベーションが生まれる職場に!

労働時間、休日、「心理的安全性」はチームに健全な衝突を生み出す機能で、組織力を高める現代ビジネスの必須スキル。本書では、組織やチームの力を底上げし、急成長させる方法を知識ゼロでも実践できるようにイラストでやさしく紹介!