2022年09月30日掲載

BOOK REVIEW - 『エンゲージマネジメント 本当に愛される職場のつくり方』

清水康裕 著
中小企業診断士、株式会社ワイズリッジ 代表 
四六判/176ページ/1400円+税/ぱる出版 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 「エンゲージマネジメント」とは、エンゲージメントとマネジメントを組み合わせた造語である。本書における「エンゲージメント」は従業員が仕事に対して自らの意思で前向きに取り組む姿勢を指し、「マネジメント」は経営者による従業員の管理と定義される。これを組み合わせた「エンゲージマネジメント」は、従業員が能力を最大限発揮できる環境を経営者が整えることを意味する。本書は、外資系コンサルティングファーム等で数々の組織改革プロジェクトに従事した筆者が、従業員エンゲージメントを高めるためのヒントを提供する。

■ 1章はコロナ禍により変化した社会や働き方を見つめ、この変化に対応するために求められる組織力とチームワークについて説明する。2章はGAFAの福利厚生を紹介し魅力的な職場を考察すると共に、職場の雰囲気をつくる経営者が自己分析をするための例を六つ挙げる。3章は経営者が自分の時間を確保するために従業員が自走することの大切さを説き、企業の目的である利益の追求にも触れる。

■ 4章はエンゲージマネジメントを実現するための「企業の体質改善」「自走型組織の土台」「成功体験の積み上げ」「自走型組織の定着」という4ステップを解説する。さらに、終章となる5章は筆者の経験に基づくエンゲージマネジメントの成功事例と失敗事例をそれぞれ三つずつ紹介。これらの事例は、アパレル、建設、総合商社、精密機械製造など多様な業種を取り上げ、企業規模もさまざまであるため、読者に近い状況の事例もあるだろう。本書を片手に自組織のエンゲージマネジメントについて考えてみてはいかがだろうか。

エンゲージマネジメント 本当に愛される職場のつくり方

内容紹介
経営管理に時間を割けない社長、指示待ち人間に悩むリーダー…。年間50社以上の組織改革を行う著者が、それらの悩みを解消し、社員の生産性をグングン伸ばす愛される職場のつくり方を解説する。

エンゲージメント(会社への帰属意識)が先進国最下位の日本。どうすれば「不満をまき散らすだけの社員」を「熱意あふれる社員」に変えることができるのか。EYで活躍し、年間50社以上の組織改革を行う著者が、社員の生産性をグングン伸ばす愛される職場のつくり方を解説。