2022年10月14日掲載

BOOK REVIEW - 『健康経営を推進する職場のための EAPハンドブック』

市川佳居、廣 尚典、阿久津 聡、西川あゆみ 編
A5判/164ページ/2800円+税/金子書房 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ EAP(従業員支援プログラム)は、従業員のメンタルヘルスの保持増進のサポートを中心に、組織とそこで働く個人やその家族が持つ課題を解決するために幅広いサービスを提供するものである。健康経営への取り組みが産業界で活発化する中で、EAPは健康経営を推進する上で重要な役割を担ってきた。本書は、企業の健康経営の質を高めるEAPの進め方、具体的なセルフチェック項目、メンタルヘルス施策メニューについて、基本から詳しく解説している。

■ 1~3章では、企業におけるメンタルヘルス対策の現状、事業場内で行うEAPの担い手と活動内容、健康経営の実践においてEAPが担う役割、EAPの歴史や"コアテクノロジー"が発展してきた背景など、EAPに関する基礎知識を主に紹介している。4~7章では、EAPを社内で展開するためのプログラムの設計や評価、効果測定の方法等を解説している。本書全体の特徴として、企業事例や図解、実践的なチェックリストが随所に用いられており、EAPを初めて学習する担当者でも読み進めやすい構成となっている。

■ 健康経営を推進している担当者は、本書を活用することで、EAPの基礎知識を身に着けるとともに、自社がメンタルヘルス施策を十分に行えているのか、他に何をするべきか、施策がうまくいっているか否かの効果測定方法などのチェックをすることができる。職場のメンタルヘルスケアの実効性を高めるために、人事、労働衛生担当者や管理職、産業保健スタッフ、産業カウンセラーや公認心理師など、幅広い職種の担当者にもぜひ参考にしていただきたい一冊だ。

健康経営を推進する職場のための EAPハンドブック

内容紹介
職場のメンタルヘルス向上のために-。EAP(従業員支援プログラム)の有効な展開や活用方法を、多くの図や実践的なチェックリストを交えてわかりやすく解説。EAPの効果測定、費用対効果の出し方なども具体的に説明する。

企業の健康経営の質を高めるEAP(従業員支援プログラム)の進め方、セルフチェック項目やメンタルヘルス施策メニューを解説。

【内容】
第1章 内部EAPと産業保健……廣 尚典
第2章 健康経営を支えるEAP……阿久津聡・徳永麻子
第3章 EAPコアテクノロジーと効果測定指標(KPI)について……西川あゆみ
第4章 セルフスタディの考え方:理想的なEAPプログラムにするためのデザイン方法……市川佳居
第5章 内部EAPの評価方法について:COA評価項目の実践的な活用方法の説明……市川佳居
第6章 EAPの効果測定方法……市川佳居
第7章 生産性の把握(Taking the Productivity):20年間のEAPコストリサーチROIに至る生産性把握の方法 ROI把握のためのパレートの方法……マーク・アトリッジ