子育て時短勤務に現金給付 育休明け、仕事と両立支援 雇用保険活用、政府検討

 

 政府は、育児休業明けで子育てのため勤務時間を短くして働く人向けに、新たな現金給付制度を創設する方向で検討に入った。給付は雇用保険加入者が対象で、賃金の一定割合の金額を雇用保険から拠出し、上乗せする案で調整する。時短勤務で賃金が減る中、子育てと仕事の両立を支援する狙い。複数の関係者が12日、明らかにした。

 時短勤務には、育児のため通常の勤務時間で働くことが難しい人が仕事を続け、徐々に本格的な復帰を目指してもらう目的がある。ただ慣れない両立に不安を抱え、賃金減少も重なるため働く意欲が低下し、離職につながりやすい。政府は、就労の継続や通常勤務復帰によるキャリア形成を後押しする新たな方策が必要と判断した。

 2024年の通常国会に関連法案の提出を目指す。雇用保険財政は逼迫しており、財源確保が難航する可能性がある。

 政府は、全世代型社会保障構築本部で22年末にもまとめる改革工程表に、少子化対策の一環として現金給付制度の方向性を盛り込む方針。賃金の何割にするかや給付期間など具体的な制度設計は23年から議論する。

 雇用保険には、正規、非正規の雇用形態にかかわらず週20時間以上働く人が加入。時短勤務は原則、3歳未満の子どもがいる人が求めた際、企業は応じる義務がある。新制度では、例えば育休前に1日8時間勤務の人が、時短で6時間となった場合、6時間分の賃金の一定割合を雇用保険から給付し、賃金に上積みする。

(共同通信社)