弁護士
A5判/202ページ/1800円+税/労働調査会
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 会社が職場を離れて社員に対して実施するOff-JT型の研修をはじめ、職場において上司から部下、先輩から後輩へ行われるOJT、会社による資格取得支援や留学制度など、社員教育にはさまざまな形態がある。近年ではeラーニングが普及し、社員が自宅から研修を受講することも可能となった。本書ではそんな「社員教育」に注目し、よく問題となる法的な問題についてQ&A形式で解説する。
■ 本書に収録されているQ&Aは80問に及び、「業務命令として社員教育を受講させることができるか」「研修時間は労働時間となるのか」といった基礎的な内容から、合宿研修中の年休取得や海外留学制度の費用返還請求、自己啓発への費用補助の取り扱いまで、幅広い内容を取り上げる。また、在宅でeラーニングを受講する場合の労働時間該当性、正規社員・非正規社員の区分により社員教育の内容に差があることの是非など、近年新たに問題となっているテーマにも触れている。いずれのQ&Aも1~3ページと、コンパクトにまとめられているのが特徴だ。
■ 著者は2005年にも本書と同様のテーマで書籍を出版しているが、当時は多くの企業で社員教育に対する意識は低かったと振り返る。しかし、時代が変わり、今ではその重要性が強く認識されるようになったと指摘する。実際に、社員の研修に力を入れたり、社員の自主的な学びを支援したりする企業は多く、最近では「学び直し/リスキリング」にも注目が集まっている。このように重要性が増している社員教育について、幅広く法的論点を押さえることができる本書は、教育・研修担当者としてぜひ手元に置いておきたい一冊である。
内容紹介 仕事を取り巻く環境が急速に変化するなかで「学び・学び直し」が企業と働く人に求められています。 |