2022年12月23日掲載

BOOK REVIEW - 『サステナビリティ人材育成の教科書』

村上 芽、加藤 彰、渡辺珠子 著
株式会社日本総合研究所 
A5判/220ページ/2600円+税/中央経済社 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 近年、社会においてESG(環境・社会・ガバナンス)やサステナビリティ(持続可能性)を重視する動きが加速しており、企業にとってもサステナビリティの推進は喫緊の課題となっている。しかし、各企業において、こうした動きを担う人材は足りていないのが現状だ。本書では、サステナビリティに関する課題解決の担い手を「サステナビリティ人材」と呼び、そうした人材を発掘・育成していくノウハウを解説する。

■ 第1章は「基礎編」として、サステナビリティに関する七つのテーマを取り上げ、各テーマにおけるこれまでの動きや企業経営との関係性を丁寧に見ていき、理解を深めていく。第2章では「サステナビリティ人材」の定義づけを行い、そうした人材をどのように発掘していくか紹介する。続く第3章は、企業においてサステナビリティを学ぶ場をどうつくっていくのか、設計ポイントを解説する。さらに、第4章は「実践編」として、著者が実際に携わった育成プログラムをベースに、設計から運営までを段階別に紹介していく。

■ サステナビリティ人材に求められるのは、知識や経験ではなく、サステナビリティに興味を持ち、価値観に共感することである。そのため、発掘・育成に当たっては、単に何かの講義をeラーニング等を社員に受講させれば達成できるものではない。サステナビリティへの好奇心を湧き起こすような工夫をし、お互いの考えを共有し、学び合う場をつくっていくことがポイントとなる。こうした具体的なノウハウだけでなく、さまざまなプログラム例が例示され、豊富な参考文献も挙げられている本書は、サステナビリティ経営に取り組む企業にとって、大いに参考となるだろう。

サステナビリティ人材育成の教科書

内容紹介
昨今、必要性が高まるサステナビリティ人材の育成方法を解説。知識として押さえておくべき基本事項から育成プログラムの設計、社内研修・ワークショップの進め方まで具体的に示す。

昨今、気候変動リスクに関する開示をはじめ、企業にとって、サステナビリティ経営への対応は喫緊の課題となっています。本書では、その担い手となるサステナビリティ人材の育成について解説しています。最低限押さえておくべき基本知識から、育成プログラムの設計方法、社内研修・ワークショップの進め方まで具体的に示しています。また、調べたいときに使えるおすすめウェブサイトや関連書籍も紹介しています。