四六判/248ページ/1400円+税/アスコム
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ あなたがいる職場では、本当に社員がやる気を持って働いているだろうか。表面上は平静を装っていても、実は「やる気がでない」と悩んでいる社員も多いのではないか。また、「やる気をなくす瞬間」は日常にあふれており、それが積み重なることで社員が転職してしまうケースもある。本書は、こうした職場の問題点を整理した上で、部下やチームメンバーがやる気をなくさず、高いパフォーマンスを発揮するための職場づくりのノウハウを解説する一冊だ。
■ 第1章で著者は、社員がやる気をなくす原因には職場風土が関係しており、職場風土には、社員同士の接触の「量」と「質」の二つが絡み合って影響していると分析する。この量と質を基に職場風土をタイプ分けし、タイプごとに社員がやる気をなくす原因を明らかにする。続く第2章では、職場風土改善のカギとして社員同士の「関係密度」に着目し、その考え方について掘り下げていく。組織・個人として関係密度を高めるための具体的な方法は第3章で紹介されており、部下やチームメンバーとの関係構築に課題を感じている方には必見の内容となっている。第4章では、「関係密度の低い職場」にも目を向け、職場づくりの問題点をあぶり出す。その上で、第5章で未来に向けた職場風土の作り方を示す。
■ 最終第6章では、職場風土改善の専門家である著者と、監修を務めた法政大学教授の田中研之輔氏との対談が収録されており、関係密度に対する理解をさらに深めることができる。また、この対談の中で著者は、「関係密度を強めるために、“タイミングのいい声がけ”に取り組んでほしい。それに尽きる」と思いを述べている。人事制度の改革など長期スパンで取り組む施策とは異なり、本書では、明日からすぐにでも実践できることが数多く紹介されている。ぜひ、本書を参考に職場風土改革のファーストアクションにつなげてほしい。
内容紹介 10万人以上の方から話をきき、かつ700を超える職場で、1万を超える働く人のキャリアコーチングを通して導き出された方法論を大公開! 入社したときはやる気がみなぎっていた人が、あることを機に、やる気をなくしていく。そのきっかけは、リーダーや周りの些細な言動によってもたらされることがほとんどです。そして、自らも、そのきっかけになっているということに、多くの人たちは気づいていません。 |