BOOK REVIEW - 『女性部下や後輩をもつ人のための1on1の教科書』

■ 近年、1on1は多くの企業で導入が進んでいる。しかし、管理職やリーダーの中には「何をどのように話せばよいか分からない」と悩む人も多いだろう。特に、異性の部下や後輩との1on1では、プライベートを含めたキャリアの話をすることに腰が引けてしまうケースもあるのではないだろうか。本書は、日本で初めて女性管理職育成を目的とした社外メンター育成・マッチングサービスを事業化し、1on1等の導入支援の実績を持つ著者が、効果的な1on1の実践方法について、女性リーダー育成の観点にも触れながら解説したものである。

■ 第1章と第2章では、キャリアをテーマとした1on1の必要性や1on1の果たす役割など、基礎的な事項を解説し、続く第3章と第4章では、表面的な会話に終わらない“深い”1on1を実現する二つのスキルを取り上げる。第5章で実際の1on1を想定した事前準備や会話の流れを示し、第6章では「なかなか相手の本音を引き出せない」といった、よくある悩みに対する解決法を説いている。そして、最後の第7章と第8章で、本書の特徴でもある女性部下や後輩との1on1における課題とポイントを解説している。

■ 「女性だから」と決めつけて本人が求めていない的外れな配慮をしてしまったり、サンプルになり得る女性が少ないため「ロールモデルがいない」と感じやすい点など、女性リーダー育成にはさまざまな課題がある。本書では、多くの事例を取り上げながら、女性との1on1における留意点を詳しく解説している。現在すでに女性部下を持っている人にはもちろんのこと、基礎から1on1を学びたい管理職・リーダーに幅広くおすすめできる書籍である。