2023年05月26日掲載

BOOK REVIEW - 『ジョブ・クラフティング ―仕事の自律的再創造に向けた理論的・実践的アプローチ』

高尾義明、森永雄太 編著/石山恒貴、横内陳正、池田めぐみ、
櫻谷あすか、細見正樹、関口倫紀、藤澤理恵、岸田泰則、小山健太 著

A5判/320ページ/3364円+税/白桃書房 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 従業員の働きがい向上が重要な課題となる中、「ジョブ・クラフティング」に注目が高まっている。ジョブ・クラフティングとは、一言でいえば、働く人自身が仕事や人間関係、およびそれらへの見方について変化を加えることである。日常業務に自分なりのちょっとした工夫を加えることで、“手触り感”のある仕事につくり替えることができるという考え方がジョブ・クラフティングの根底にあり、エンゲージメント改善策の一つとしても期待がかかる。本書は、第一線の研究者たちが、最先端の理論や実践における課題とその解決の方向性を多角的に議論する、本邦初のジョブ・クラフティングの研究書である。

■ 全体の構成としては全3部・12章からなる。まず、第1部ではジョブ・クラフティング研究の概観と理論的な検討が行われる。続く第2部は、ジョブ・クラフティングの実践に関わるさまざまな課題(周囲の支援の重要性、若年層の部下への上司の影響等)が取り上げられている。第3部では、現代の仕事環境の変化によって生じているさまざまな課題(テレワークやシニア労働者の増加等)とジョブ・クラフティングを関連付けた論考が収録されている。また、各章から得られる実務的な示唆が「おわりに」にまとめられている。各章は独立しているので、興味を持った章から読んでも、実務に関するヒントが得られるだろう。

■ 2023年3月期決算から大企業に課された、人的資本に関する情報開示の義務化を受けて、エンゲージメントの改善を課題として認識している人事労務担当者も多いことと思われる。本書は、こうした課題解決のヒントを求める実務家にもおすすめの一冊といえる。

ジョブ・クラフティング ―仕事の自律的再創造に向けた理論的・実践的アプローチ

内容紹介
仕事の自発的リデザインをサポートする概念!
本邦初のジョブ・クラフティング研究書。

ビジネスを取り巻く環境変化が加速している中、それに適応すべく業務も柔軟に変えていかなくてはならない。しかし、上司が部下一人一人に、それらの指示を行うことは現実的な対応とは言えないだろう。

そのような状況のもと、従業員自身による自発的な仕事のリデザインという側面を持つ、ジョブ・クラフティング(JC)への関心が高まっている。

本書は、JC領域の第一線の研究者たちが、最先端の理論と実践における課題とその解決の方向性を多角的に議論する、本邦初のJC研究書である。加えて実務的インプリケーションも分かりやすく整理されており、関心のあるどの章からでも読める構成となっている。