2023年05月26日掲載

BOOK REVIEW - 『女性と定年』

小島明子 著
株式会社日本総合研究所創発戦略センター スペシャリスト 
四六判/172ページ/1800円+税/ 金融財政事情研究会 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 男女雇用機会均等法が施行された1986年以降、多くの女性が総合職として採用されてきた。施行年付近で採用された女性の中には、勤め先で初めての女性管理職・役員となった者も多く、彼女たちの活躍により、女性が働き続けられる環境が整ってきた側面もある。一方で、これまで女性が定年まで勤め上げるケースは少なかったが、男女雇用機会均等法世代の女性も今や50代後半であり、定年年齢が近づいてきている。本書では、これから増加することが見込まれる「女性の定年」を取り上げ、定年後の女性が自分らしいキャリアシフトを実現するためのヒントを提示する。

■ 第1章では、さまざまな調査データを用いながら、定年を迎える女性たちを取り巻く現状を整理していく。第2章では、定年後のお金の問題を取り上げ、公的年金の仕組みや資産形成の基本的な知識、定年女性の再就職活動のポイントなどを解説していく。続く第3章では、6人の先輩女性のキャリアストーリーを紹介。社会人になってからどのようなキャリアパスを歩み、働く上で何を大切にしてきたかを見ていく。最終章となる第4章では、本書の締めくくりとして、定年を迎える女性に向けて七つのメッセージを贈る。

■ 「女性と定年」という課題は、働く女性本人だけのものではない。企業にとっても、定年を挟んだ女性のキャリアシフトをどう支援していくのか、検討していく必要性は高まっている。そんなときに、現状がどうなっているのか、そして先陣を切ってきた女性たちがどういったことに不安や悩みを感じているのかを把握することは、企業としての方針を定め、取り組みを進める上で大いに参考となるはずだ。

女性と定年

内容紹介
女性の‘定年’に実践的なヒントを提供。
明るい定年後を送るため、今から定年を見据えたキャリアを考えてみませんか。

定年考えたことありますか?
日本では、今後、定年を迎える女性が増えることが予想されます。
ただ、定年まで働き続けてきた女性が少ない中、女性の定年はイメージが湧きづらい…。

本書は、これから定年を迎える女性たちを取り巻く現状をデータにより分析した上で、明るい定年後を送るためのヒントを提供します。