2023年06月09日掲載

BOOK REVIEW - 『60分でわかる! 心理的安全性 超入門』

伊達洋駆 著
株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役 
四六判/160ページ/1200円+税/技術評論社 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ チームの生産性を向上させる“心理的安全性”。近年、人事の領域でも注目を集めており、自身が仕事で実践するためだけでなく、マネージャー教育など社内研修に取り入れるという観点でも関心を寄せる人事担当者は多い。入門書として心理的安全性を高めるためにマネージャーに求められる考え方と行動をまとめた本書は、これから心理的安全性について学ぼうと考えるビジネスパーソン向けにまとめられている一方で、社内研修等でも活用できる一冊だ。

■ 本書は六つのPartから成り、Part1では心理的安全性の重要性、Part2では心理的安全性がもたらす効果に触れ、心理的安全性が求められる背景・理由を解説する。Part3~5では、「心理的安全性を高めるステップ」として、マネージャーに求められる行動や部下との関わり方、職場づくりのノウハウなど、具体的な実践方法が紹介されている。Part6は、心理的安全性のマイナス面にも目を向けた上で、適切な活用方法を提示する。基礎知識から具体的なアクションまで、特に重要な要素をピックアップしてコンパクトにまとめている点は、本書の特徴といえる。

■ ページ構成も本書の魅力の一つであり、全編カラーの上、各テーマにつき見開き1ページで左側が解説、右側がイラストを用いた図解という構成で、心理的安全性に詳しくない人でもイメージをつかみながら理解できるものとなっている。また、著者の伊達洋駆氏は、学術研究のエビデンスと実務を結びつけることに()けており、入門書ながら内容の充実感・安定感は折り紙付きだ。ぜひ、本書をきっかけに、心理的安全性を高め、チームの関係性・生産性の向上につなげてほしい。

60分でわかる! 心理的安全性 超入門

内容紹介
“本音が話せれば成果は変わる”
チームをマネジメントする人必読!
メンバーが気兼ねなく話せる環境は、チーム全体の生産性をアップする!

メンバーが「本音を言っても安全」と感じられるのが「心理的安全性」(Psychological Safety)です。ハーバード・ビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授が発展させた理論で、企業・医療現場・地域活動・家庭などで幅広く実証されています。

2016年、Googleのプロジェクト・アリストテレスで「最高のチームを作る要因」として最も影響が大きいとわかり、いかに職場の心理的安全性を高めるかが管理職、チームリーダー、HR担当者などの高い関心事となっています。

本書はオールカラー図解で、やさしく心理的安全性の基本からその重要性・効果を理解でき、さらに多くの学術研究に基づいた、さまざまな職場に適した実践方法を解説します。高い成果をあげる理想的なチームをつくりたい人にとって必読です。