2023年06月23日掲載

BOOK REVIEW - 『職場問題グレーゾーンのトリセツ』

村井真子 著
社会保険労務士、キャリアコンサルタント 
四六判/216ページ/1700円+税/アルク 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 働く人々の価値観や働き方が急速に多様化する一方、法律は社会の変化のスピードに追いついているとはいえない。また、法律を学ぶことなく社会に出たビジネスパーソンの中には、「これってありなの?」と、会社の対応にモヤモヤしたこともあるだろう。あるいは、人事として行った対応にモヤモヤしている社員が、皆さんの会社にもいるかもしれない。本書では、法律では明確に定められていない「グレーゾーン」や、職場でよくあるトラブルについて、対応策・解決策を提示する一冊だ。

■ 「退勤後も上司からLINEで業務指示! リラックスできません」「仕事上の注意をしたら、部下に『パワハラですよ』と言われました」「固定残業手当はあるけど、どれだけ残業しても追加の残業代は出ないの?」「育休復帰面談で『人員補充したから異動して』と言われましたが、元の部署に戻りたいです」「入社前に健康診断書を提出。過去の病気がわかったら、内定取り消しになりますか?」――本書は、こうしたちょっと人には聞きにくい75の“モヤモヤ疑問”について、見開き2ページで解説をしていく。就業規則、労働時間・休暇、けが・病気、ハラスメント・人間関係、賃金・福利厚生、異動・退職・キャリアと、幅広いテーマを取り上げている。

■ 難しい法律の話は少なく、何が問題で、どういった対応が必要なのかを簡潔にアドバイスしているのが本書の特徴だ。職場で働くビジネスパーソンに向けて執筆された内容ではあるが、職場の問題に対応する現場の管理職や人事担当者にとっても役立つ知識ばかりである。自社では法違反となっている規定やルールがないか、法律で書かれていないグレーゾーンにどう対応するのか、本書を通じてぜひ確認いただきたい。

職場問題グレーゾーンのトリセツ

内容紹介
ちょっと聞きにくい75のモヤモヤ疑問をすっきり解決!
「知らなかった」で損をしない、働く人の必携書

日本社会はかつてない速度で変化し、多様な働き方が定着しつつあります。
でも、法律は現場の変化に追いついていません。
また、法律を学ぶ間もなく、ぶっつけ本番で社会に出る人もたくさんいます。

本書は、職場の問題に悩むビジネスパーソンのみなさんの参考になればと書きました。
知識を武器に、自分の環境を整えたり、トラブル時に応急処置ができることを願っています。
今日も明日も明後日も、みなさん一人一人が安心して働き続けていけますように。