運営批判で理事解任は無効 下関市立大の元教授勝訴

 下関市立大(山口県下関市)の理事だった飯塚靖元教授(65)が学外での大学自治に関するシンポジウムで、市立大の運営を批判する発表をしたことを理由に理事を解任されたのは不当だとして、無効確認などを求めた訴訟の判決で、山口地裁下関支部は解任を無効と認め、未払いの理事給与など約50万円の支払いを大学に命じた。
 榎本康浩裁判長は判決理由で、教員採用や新たな専攻科設置を決める過程が規定に基づいていないなどとした飯塚氏の批判は「相応の根拠を伴う」と認定。許容される範囲を超えておらず、解任は違法だと判断した。慰謝料の請求は退けた。
 判決によると、飯塚氏は2020年10月18日、大分市で開かれたシンポジウムで「大学の権力的支配」と題する文書を配布し運営を批判。インターネット上で公表した。23日の理事会で事実確認を求められ拒否すると、「理事に適しない」として28日付で解任された。
 市立大の担当者は取材に「判決の内容を精査し適切な対応を検討する」と説明した。
 飯塚氏は今年3月に定年退職した。
(共同通信社)