2023年07月28日掲載

BOOK REVIEW - 『失敗しない職場のメンタルヘルスケア ―従業員のメンタルヘルス不調に気づくポイントと対応50』

志野恭子 著
CocokaraCareer 代表、産業保健師・キャリアコンサルタント 
B6判/176ページ/1500円+税/セルバ出版 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 従業員のメンタルヘルス対策は、企業の規模や環境、従業員個人の特性に応じて講ずべき策が異なる“正解のない”分野であり、人事労務担当者や管理職にとっては頭の痛い問題といえよう。本書は、こうした悩みを解決すべく、メンタルヘルス対策に必要なポイントを、従業員と距離の近い産業保健師の筆者だからこそ伝えられる実践的な視点から、分かりやすい表現でまとめている。

■ 本書は、メンタルヘルス対策の重要性を再確認する「序章」からはじまり、従業員のメンタルヘルス不調の段階別に対策等を取り上げていく10章からなる。具体的には、日常的なコミュニケーション手法、メンタルヘルス不調に気づくポイント、メンタルヘルス不調が疑わしいときの声かけ、面談での注意点、不調の原因と対策、受診後の対応、休職から職場復帰までの流れと対応――と、知っておきたいメンタルヘルス関係の基礎知識が網羅されている。また、コミュニケーションの手法等について、「望ましい例/望ましくない例」といった形式で実践的に紹介されている点も特徴だ。

■ 従業員のメンタルヘルス対策に関する類書は複数存在するが、メンタルヘルス対策に関する指針やコミュニケーション理論といった難しい話題を最小限に抑えた上で、職場のメンタルヘルスに関して知っておくべきポイントが50個にまとめられている点で、初学者が手に取りやすい構成になっている。「メンタルヘルス対策は何から手を付けて良いかわからない」と悩む人に、最初に手に取ってほしい一冊だ。

失敗しない職場のメンタルヘルスケア ―従業員のメンタルヘルス不調に気づくポイントと対応50

内容紹介
「メンタルヘルス対策は、日々の積み重ね」です。

メンタルヘルス対策は、職場で実行して初めて意味があるのだから、職場の実情に合わせて必要な要素を取り入れ、現実的かつ効果的な対策をすればよい。

日頃従業員のメンタルヘルスケアに関わっている人事労務担当者や管理職に向けて、メンタルヘルス不調に気づくポイントと対応についてわかりやすく解説。