Cast a spell合同会社 代表
A5判変型/192ページ/1600円+税/ディスカヴァー・トゥエンティワン
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 「このまま今の会社で働いていていいのかな」「何のスキルを身につけていけばいいのだろう」――日々仕事と向き合う中で、自身のキャリアに何らかの不安や悩みを抱えている人は少なくないだろう。とはいえ、キャリアは曖昧で漠然としている上に長期戦であるため、腰を据えて考えるのは億劫になりがちだ。本書では、この曖昧な“キャリア”を分解し、一人ひとりがキャリアを考えるときの補助ツールとして「5つの資」というフレームを紹介する。
■ 「5つの資」とは、①資格、②資源、③資質、④資本、⑤資産のことだ。これらには年代に応じて適したフェーズがあり、一般的には、10~20代で「①資格」を得て、30~40代では「②資源」(仕事に使える時間や体力、頭の働きなど)を元に「③資質」を活かして「④資本」(「資産」を形成するのに必要な自身の強み)に変え、40~50代で「⑤資産」(キャリアの最終ゴールとなり得る価値)を蓄積する――という流れになる。人生の終盤を生き抜いていくために必要なもの、つまり「相互信頼とつながり」「金銭的な余裕」「人や社会への貢献実感」「自分なりに感じる価値」「いい思い出」といった⑤資産は、私たちが働く理由とも言い換えられる。本書では、この「5つの資」について、①資格から⑤資産まで、各章で順を追って解説していく。
■ 一方で、これら「5つの資」を知り、意識的に行動したとしても、現実はなかなか思うように進まないものでもある。そこで、最終第6章では、そのようなときの乗り越え方や知っておきたい考え方、落とし穴の回避の仕方なども含め、キャリアとの向き合い方に触れる。「キャリアには、誰にでも当てはまる正解があるわけではないが、だからこそ『自己満足』でも良い」と著者は言う。本書は、“自分が満足できるキャリア”を築くための道しるべになるだろう。
内容紹介 ・自分が損しないキャリアを選びたい そう思ったときに読んでほしい、今やるべきことが見えてくる1冊。 リクルート・Amazon・LINEを渡り歩いた人事のプロが教えるキャリア選びのヒント。 |