早瀬 信、高橋妙子、瀬山暁夫 著
四六判/264ページ/1700円+税/ダイヤモンド社
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 「組織に対する不満が蔓延しているけれど、その原因や問題点を言語化できない」――そんなモヤモヤした悩みを抱える人は多いのではないだろうか。多様性の重視や在宅勤務の増加などにより組織を取り巻く環境は複雑さを増し、さまざまな要因が絡んだ組織の課題を解決することは困難になりつつある。そこで近年、関心を集めているのが「組織開発」である。組織開発とは、チームや組織の「効果性」や「健全性」の高まりを目指した取り組みを指し、いまいち言語化できないような組織の悩みを解決に近づけることを得意分野とするものだ。組織開発の第一人者が監修した本書は、そんな組織開発の始め方を易しく伝える内容となっている。
■ 本書は四つの章(CHAPTER)から構成され、CHAPTER1では、組織開発の定義とそれが果たす役割について解説している。CHAPTER2では、組織開発の進め方について実践的な観点から説明し、中でもカギとなる「対話による関係づくり」に焦点を当てている。最も紙幅を割くCHAPTER3では、中小企業や大企業などの実際にあった七つの「成功事例」を通して組織開発のポイントをみていき、最後のCHAPTER4では、組織開発の始め方・進め方を著者3人がさらに深く掘り下げて語る構成となっている。
■ 本書の前半は、ある架空のマネジャーの物語を横串にして組織開発の基本的知識を展開し、後半の事例では、関係者の経験談が豊富に紹介されている。初めから読み進めることで、組織開発の推進者たちのマインドや姿勢、変革に向けたリーダーシップが醸成されていく過程を身近なものとして理解することができるだろう。
内容紹介 どんどん人が辞めていく、社員にモチベーションがない、などのモヤモヤを、対話のチカラで解消していくのが「組織開発」。 本書では、悩みを抱える職場への処方箋として、「組織開発」のはじめ方を成功事例とともに紹介します。 組織開発の第一人者と、プロフェッショナル3名によるいちばんやさしい組織開発の入門書です。 |