函館バスから組合活動を理由に懲戒解雇されたのは不当だとして、私鉄総連函館バス支部の大岩伸一書記長が地位確認などを求めた訴訟の判決で、函館地裁(五十嵐浩介裁判長)は24日、理由のない処分で組合を弱体化させるものだったと認め、解雇を無効とし、同社と森健二社長に55万円の支払いを命じた。
五十嵐裁判長は同日、支部に所属する4人が組合活動への報復人事として遠隔地勤務を命じられたと同社などを訴えた訴訟でも、不当労働行為に該当するとして、命令の無効確認と計約1400万円の支払いを命じた。
大岩氏は判決後の会見で「会社は判決を真剣に受け止め早急に対応してほしい」と話した。函館バスの担当者は「担当者がいないので対応できない」とコメントした。
解雇を無効とした判決によると、大岩氏は組合活動のために組合員に不正に休暇を取得させたとの理由で2020年11月に解雇された。配置転換命令を認めなかった判決によると、4人は函館市内の営業所で運転手として勤務していたが、21年11月~22年2月、出勤に長時間かかる市外への異動を命じられた。
北海道労働委員会は20日、函館バスが組合活動を理由に懲戒解雇したり、出勤停止処分にしたりしたのは不当労働行為に当たるとして、処分取り消しを命じている。
函館バスのホームページによると、同社は1944年に設立。従業員は約300人で約200系統のバスを1日約千便運行している。
(共同通信社)