2023年11月10日掲載

BOOK REVIEW - 『どんな会社でもできるインナー・ブランディング まず教育、そして採用、業績アップ。鉄板の好循環をつくる』

深澤 了 著
むすび株式会社 代表取締役 
B6判/216ページ/1700円+税/セルバ出版 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ インナー・ブランディングとは、一般的に自社のブランドや重視する価値観などを社内向けに浸透させることを指す。本書ではその目的・内容について「自社の理念(ビジョン、ミッション、バリュー、パーパスなど)を達成するために行う、社内での活動」と示した上で、組織内のみの変革に目を向けるのではなく、採用から組織内の取り組みを一体として考えるべきと強調する。また、インナー・ブランディングにより、さまざまな経営課題に対して、一貫性をもって取り組むことが可能になるという。

■ 第1章では採用活動における構造的なミスマッチに焦点を当てる。理念教育を入社前から始めることでミスマッチを防げると述べ、採用時点から自社の文化・価値観を訴求して自社にとっての「活躍人材」を集めることがいかに効果的かを説く。第2~3章では、10段階のプロジェクト工程や、取り組みの過程に行うべき理念浸透アンケートの例などを具体的に示しながら、インナー・ブランディング実践プロジェクトの流れを体系的に解説する。

■ 実際にインナー・ブランディングに取り組む企業の事例や、取り組みを形骸化しないためのポイントを示した上で、最終章の第7章は社内全体に取り組みを広げる「社内浸透」の観点から、取り組みの中心に立つマネージャーが具体的にどう動くべきかについてまとめている。「毎日の取り組みが、1年後、2年後の大きな羽ばたきに変わる」という著者の言葉にもあるとおり、地道な取り組みが確実に社内の風土変革に作用することが理解できる一冊だ。会社の文化・価値観の問題に日々向き合う人事担当者は、インナー・ブランディングの視点から新たな気づきを得られるに違いない。

どんな会社でもできるインナー・ブランディング 
まず教育、そして採用、業績アップ。鉄板の好循環をつくる

内容紹介
みなさんの会社にインナー・ブランディングを装着しましょう。
毎日の取り組みが、1年後、2年後の大きな羽ばたきに変わるはずです。

これまでインナー・ブランディングは組織内のみの変革に目が向けられていました。しかし本来、従業員の入口になる採用から考えなければ、組織内全体の変革にはなりません。「インナー・ブランディング」の意味を正しく理解せず、間違った理解や考えのもとに実践しても、効果は上がりません。

当書籍では、「採用ブランディング」について、1000社以上の採用戦略に関わり、「採用ブランディング」を確立させたクリエイティブディレクターの深澤 了が、経営にインナー・ブランディングを取り入れていくことで、着実に、劇的に社内が変化し、数字に現れていくようになるメカニズムを解き明かします。