代表 寺澤康介
(調査・編集:主席研究員 松岡 仁)
ProFuture代表の寺澤です。
近年、「オープンバッジ」を導入する大学や企業が増えていることはご存じでしょうか。オープンバッジとは、世界共通の技術標準規格に沿って発行されるデジタル証明・認証です。講座や研修、資格試験などの修了証明として活用することで、その人の保有するスキルを可視化できるとされています。2013年ごろから欧米のグローバルIT企業や大学などを中心に普及が進んでいましたが、日本ではコロナ禍初期の2020年4月より発行されるようになりました。
日本で初めてバッジ発行サービスを開始した一般財団法人オープンバッジ・ネットワークによれば、2023年12月1日現在の総会員数は258団体で、うち東京大学などの学校団体が91団体、旭化成などの一般企業が91団体などとなっています。2022年6月1日時点での総会員数は125団体でしたので、急速に利用団体が伸びていることが分かります。
リスキリング時代を迎え、企業がオープンバッジを導入するメリットとしては、(1)スキルの見える化による社員のモチベーション向上、(2)社員の自律的な学びの促進、(3)タレントマネジメント(選抜・配置)に活用、(4)多様な人材活用、および採用活動への貢献――などが挙げられており、社員にとっても、企業にとっても有益なようです。導入をご検討されてみてはどうでしょうか。
フィードバックと質問への真摯な対応が決め手
さて今回は、HR総研が「楽天みん就」と共同で実施した「2024年卒学生の就職活動動向調査」(2023年6月1~12日)の結果の中から、フリーコメントによる学生のリアルな声の数々をお届けします。参考になさってください。
まずは、内定承諾した企業で印象の良かった「人事の対応・人柄」についての意見です。面接の評価やフィードバックを挙げる学生が多く、質問への丁寧な対応でそれまでの不安を払拭することができたとのコメントも散見されました。
■人事の対応・人柄について
- 面接時にその場でフィードバックをいただいたほか、その場で合格を伝えていただいたこと(文系、その他国公立大)
- 自分のどこが評価されたのかを伝えてくれた(文系、旧帝大クラス)
- 面接する人数が多いにもかかわらず、毎回の面接ごとに丁寧なフィードバックをいただけたこと(理系、上位国公立大)
- 選考のフィードバックをいただき、自信を持って最終面接に臨むことができた(理系、早慶大クラス)
- 選考過程で何度か人事面談を組んでくださり、それ以前の選考で評価されたポイントなどを一緒に振り返ってくれて、自信をつけてくれました。また、進路相談にも乗っていただき、私の不安点を解消できるような情報提供を積極的に行ってくださいました。内定通知後には、手書きの手紙をいただき、歓迎してくださっていることがすごく伝わる親切な対応をしていただきました(文系、上位私立大)
- すべての質問に難色なく答えてもらえた。また、内定をいただいているほかの企業についても面接途中に意見をもらえた(理系、その他国公立大)
- 内定に際して不安な点をたくさん質問したが、時間がかかってもすべて答えてくださった(理系、その他私立大)
- 何度も対策面談をしてくれたり、電話やメールでも質問に答えてくれたりした。丁寧な対応が感じられた(文系、中堅私立大)
- 他社と悩んでいるときに、忙しい中、人事の方が私の進路相談をオンラインで30分以上してくれた。他社に行けということも、自社に来てほしいということもなく、私が将来どのように生きていきたいかというところにずっと焦点を当てて話を聞いてくれ、「後悔がないように」と何度も言ってくれて感動した(理系、上位私立大)
- インターンシップの日程調整でこちらの意見をかなり優先してくれた。また、合格以降の面談は親戚と話しているかのようだった。人事直通の電話番号を教えてもらって、分からないことはすぐに聞ける環境をつくってくれた(理系、上位国公立大)
- どんな質問にも分かりやすく誠実に答えてくださる印象を持った。明るくて話しやすい方だった(理系、旧帝大クラス)
- 説明会・個別面談の終了予定時間が過ぎても、自分一人だけのために、丁寧に質問に答えてくださった。印象的だった方は、とにかく笑顔が多く、私に対しての応援の言葉などが本当に励みとなり、CAB試験(編注:論理的思考力を検査する適性検査)やES、面接を頑張る契機となった(理系、その他私立大)
- 面接中、ある質問の後に、「この質問の意図として、今後仕事で苦労してほしくないと思っているため」と補足していただけたこと。質問の意図が分かるとこちらも正直に答えやすい(理系、旧帝大クラス)
- インターンシップや面接の前などの連絡が丁寧で、一切不安を感じることがなかった。また、基本的にメールでのやり取りだったため、折り返しの手間がないよう配慮がされていると感じた(文系、上位私立大)
- 電話対応でも最低限の礼儀を持ちながらもフランクに接していただき、面接に通過するために面談を複数回してくださったこと(文系、その他国公立大)
- とてもにこやか。給与・福利厚生の説明会を開催してくれた(文系、上位私立大)
- 内定後に人事面談の場を設けていただいた(文系、早慶大クラス)
- 個別質問会を開いてくれて、予定時間を1時間以上超えても丁寧に相談に乗ってくれた(文系、上位私立大)
- あくまでもその企業に内定することがゴールだとは言わず、私の選択を全力でサポートしてくれた。実際に他社、他業界と悩んでいることを伝えたときに、比較のために同業他社説明会やOB訪問をすべきだと後押しし、内定承諾を待ってくれるなど、私の選択を尊重してくれた(文系、上位私立大)
インターンシップを通じてじっくり社風を体感
「人事の対応・人柄」と並んで志望度に影響を与えるのが「社員の対応・人柄」です。内定承諾した企業で印象の良かった「社員の対応・人柄」として寄せられたフリーコメントの中から、主な意見を抜粋して紹介します。インターンシップを通じて、その企業の社風を感じ取れた学生が多いようです。
■社員の対応・人柄について
- 仕事に誇りを持って取り組んでいる姿勢が見えた。また社員同士がアイコンタクトで連携が取れていた(理系、その他国公立大)
- 明るくて優しい方が多かった。また、ご自身の仕事に誇りを持っている方が多く、その姿が格好良かった(理系、上位私立大)
- 聞きたいことを教えてくれただけでなく、言外の気持ちも読み取り、回答していただけた。その配慮や、社員の雰囲気が良かった(理系、上位国公立大)
- 個別面談を組んでくださり、業務内容の理解や激励の言葉をかけてくれた(文系、その他国公立大)
- 一人ひとりの学生に向き合ってくれる印象を受けた。インターンシップなどで、フィードバックが丁寧だった。会社に伺った際、挨拶を笑顔で返してくれた(文系、上位私立大)
- インターン中の業務について、困ったことがあればしっかり相談に乗っていただけた。また、笑顔で優しさを感じられる雰囲気だった。さらに、飲み会では人として温かさやユーモアがあった(理系、その他国公立大)
- インターンシップ中、任された仕事以外にも、何かやりたいことがあれば結構自由にさせてくれた。会社の廊下で立ち話に参加したり、外国人とランチをしたりする機会も多かった(理系、上位国公立大)
- インターンシップを通して、新人、ベテランの関係なく、意見を出し合える環境であることを感じた(理系、その他国公立大)
- 面接に関わってくれた社員が何人もいたが、全員学生の話を親身になって聞いてくれた。他社には、次の質問を考えるために、適当に目も合わせずうなずく社員もたくさんいたが、この会社は全員が目を見て話を聞いていた(理系、上位私立大)
- 1次、2次面接時に対応してくださった現場社員の方の応対が良かった。こちらの話をしっかり聞いてくださった上で、現場での物事の考え方が私自身とどのようにマッチしているかを説明していただき、企業とのマッチ度を測ることができた(理系、上位私立大)
- 自然に名前を呼んでくれて、一人の人間として対応してくれた(理系、上位私立大)
- 人事担当ではなく、実際に現場で働かれている社員の方が面接を担当してくださったので、逆質問等を通じて実際に働いていて感じる部分を事細かに教えていただけたことが印象的です(文系、中堅私立大)
- 企業の良いところだけではなく、仕事のしんどいところなども教えてくださった(文系、上位私立大)
- 実際の面接で明るく会話しているところを目の当たりにできて、上下関係の中でもかなりフランクな関係が築かれていることが感じられた(文系、その他国公立大)
- うちの会社に入るだけが正解ではないから、いろいろな会社の人と会ってください、というスタンスだった(理系、早慶大クラス)
- 5回ほど面談をしたが、まず全員人当たりが良かった。そして、自社のサービス、理念に誇りを持っており、本気でそれを世の中に広めようと自信を持って話していた(文系、上位私立大)
学生一人ひとりに向き合うことが重要
今度は、企業の選考段階において志望度が変化するとき、どんなきっかけがあったのかを探っていきたいと思います。まずは、「志望度が上がったエピソード」を抜粋して紹介します。「人事が名前を覚えていてくれた」「エントリーシートをよく読んでくれていた」「どんな質問にも真摯に答えてくれた」など、学生一人ひとりに対して「個への対応」をしてくれたことを挙げるコメントが多いようです。
■志望度が上がったエピソード
- インターンから参加していたからか、人事が名前を覚えていてくれた(文系、上位私立大)
- こちらの話をよく聞いてくれ、エントリーシートによく目を通してもらえていると感じたとき(文系、上位私立大)
- 面接官の方がエントリーシートをよく読み込んでくださっていたこと。面接の最初に雰囲気を和らげるような発言をしていただいたこと(文系、上位国公立大)
- 最終面接で「オワハラなどは一切しない」と言われたこと、「答えづらい質問があれば答えなくてよい」と言われたこと(文系、中堅私立大)
- 内々定後も「就活を続けていいよ」と言ってくれたこと。自分の会社を選ぶだろうという自信と就活生への親身さを感じた(文系、その他国公立大)
- 企業の社員の方が相談に乗ってくれたとき(文系、上位私立大)
- 社員と面談をしたときに何でも答えてくれたので、とても志望度が上がった(理系、上位国公立大)
- 自分の“ガクチカ”(編注:学生時代に力を入れて取り組んだこと)に興味を持ってくれて、それについてどんどん質問してくれたこと(文系、その他私立大)
- 一人ひとりの“ガクチカ”や自己PRをばかにせず、肯定しながら聞いてくださり、管理職の方が威圧的でなかった(文系、上位私立大)
- 面接の逆質問の際に、こちらの疑問が解消されるまで親身になって答えてくださったこと(文系、早慶大クラス)
- 面接の際に話したことを、次の面接のアイスブレイクで話してくれ、興味を持ってくれているように感じたこと(理系、上位国公立大)
- すごく親身になって関わってくださり、一緒に自己分析をしてくれたこと(文系、上位私立大)
- インターンシップで学生一人ひとりと向き合っていたのはその企業だけであり、魅力的だったこと(文系、上位私立大)
- 実際に育休から復帰されてバリバリ働いている方が面接官だったとき、育児も仕事も両立できていることに感銘を受けて、この企業は女性活躍推進を本当にやっているんだなと思った(文系、中堅私立大)
- 管理職面談でどんな質問にも明るく答えてくれたこと(文系、旧帝大クラス)
- 面接中、私のどのような質問にも真摯に答えてくれたこと(理系、上位国公立大)
- 選考過程の一つとして時間のかかる課題があったが、それに取り組むことで、企業研究ができ、自分がその会社で何がしたいのかということを考えることができた(理系、上位国公立大)
- 自分の描きたいキャリアを肯定してもらえたとき(文系、早慶大クラス)
- 面接において「お互いを知る場にしましょう」と声をかけてくれ、こちらの話をしっかりと聞いてくれたとき(文系、上位私立大)
- 例えば、日程調整を丁寧に行う、不手際があった際に謝るなど、人柄の良さが見えたとき、就活生に対しても対等に接してくれる企業だとの印象を持った(文系、その他国公立大)
- 福利厚生の充実ぶり、グローバルな社風(理系、その他国公立大)
- 1次面接の合格の電話の中で、2次面接で伝えてほしいことなどをいろいろ教えてもらえたこと(理系、その他国公立大)
- 面接前の面談において、次回の面接官の経歴を教えていただいたこと(文系、上位私立大)
- 若手社員の方との座談会で不安が解消できた(文系、その他国公立大)
- インターンシップで若手社員の方とたくさん話す機会をくれた(理系、その他国公立大)
- 何か質問をメールした際の返信がかなり速かった。学生に対してリスペクトを持って接してくれた。私の就職相談に人事が乗ってくれた(理系、上位私立大)
- 質問をするだけでなく、面接官の意見をくれたり、話を広げてくれたりしたこと。面接官を尊敬できると思った(文系、上位私立大)
- “配属先ガチャ”(編注:新入社員が配属先を選べず、どこに配属されるのか分からず不安な状態)ではなく、希望の配属先を入社前に決定できる制度があると知ったこと(理系、その他国公立大)
- 社員訪問の際、会社のいいところだけではなく、仕事のしんどい点や泥くさい点なども教えてくださったこと(文系、上位私立大)
- “あなたが持っている〇〇の経験や〇〇の技術が、弊社のこのような事業や仕事で役に立つ”と、活躍できるイメージを明確に与えてくださったこと。実際に働くイメージができて志望度が上がった(文系、中堅私立大)
圧迫面接は即アウト
逆に、「志望度が下がったエピソード」も気になるところです。こちらも抜粋して紹介します。圧倒的に「圧迫面接」や「面接官やリクルーターの態度の悪さ」を挙げる学生が多く、業務内容や制度等を挙げる学生は少ないようです。面接官や社員が与える印象が、志望度にいかに影響を与えているかがうかがえます。中には、「軽い面接で最終面接に進んだこと」とコメントした学生もおり、選考ハードルが低すぎるのも考えものといえそうです。
■志望度が下がったエピソード
- このご時世において、圧迫面接を受けたときです。この会社はあり得ないと感じた(文系、上位私立大)
- 面接官が椅子にふんぞりかえって面接してきて、とても圧迫面接だった。答えても「あー、あー」という感じの返事だったので、興味なくて聞きたくないならもう聞かないでくださいと、イラッとしてしまった(文系、中堅私立大)
- 面接官が高圧的であったり、自分の発言をばかにされたりしたとき。卒論のテーマについて「ちょっと考えたら分かりそうだけどね」と言われたこともある(文系、上位私立大)
- 圧迫面接。どの回答に対しても否定され、最後には自分自身の人間性まで否定された(文系、上位私立大)
- 面接官が大幅に遅刻してくる(理系、旧帝大クラス)
- 自己紹介もなく面接を始め、早く面接を終わらせたい感が伝わってきたこと(文系、その他国公立大)
- 面接の時間になっても少し待たされた上、他社の選考状況をいきなり聞かれ、最後には説教じみたことを言われた(理系、その他国公立大)
- 順番に質問を聞いていくスタイルのグループ面接で、4人中2人しか回答していないのに、「時間になったので終了します」と面接を打ち切られたこと。私は回答できなかった側だったのでとても不安だった(文系、早慶大クラス)
- インターンシップや内定者懇親会に参加する中で、同じ就活生や同期となる人のやる気のなさ、人任せな態度を経験した瞬間に、志望度が下がった(理系、上位私立大)
- インターンシップ・面談で関わる人事や内定者の雰囲気が自分と合わなかった(理系、その他国公立大)
- インターンシップでのワークの発表中、年次の高い社員が肘をついて面倒くさそうに話を聞いていた(理系、上位私立大)
- 面接でストレス耐性ばかり聞かれ、業務が厳しいことを察したとき(文系、早慶大クラス)
- パワーハラスメントに近い圧迫面接をされ、法律上聞いてはならない質問があった。また、女性であることを理由に志望する職種には就けないと言われときや、オワハラをされたとき、説明されていた雇用条件と異なると明かされたときなど(文系、中堅私立大)
- オンライン面接の際に音がかなり聞き取りにくく、画質も粗かった(理系、上位国公立大)
- 軽い面接で最終面接に進んだこと(文系、旧帝大クラス)
- 私のことを深く知ろうとしていなかった。うわべだけの質問をされた(理系、上位国公立大)
- 明らかに監督官の少なすぎるグループディスカッション。対面で40人参加のグループディスカッションで、監督官2人では絶対に各自の良さは見えないと思った(文系、上位国公立大)
- リクルーター面談という名目で実質面接が複数回行われたのは、やや志望度が下がった(文系、上位私立大)
- リクルーターの方の失礼な発言(出身地をばかにする)や、対応(社内見学前に2時間待たせる)があった。学生として下に見られているような感じがした(文系、上位私立大)
- 会社説明会で上下関係が厳しそうな印象を受けた(文系、その他国公立大)
- 1週間以内に連絡すると言って何の連絡もなく、1カ月後に急に連絡してきて、連絡が遅れたことをわびることもせずに次の選考のお知らせをしてきたこと(文系、上位私立大)
WEB説明会に顔出しは必要?
次に、「採用する企業側に改善してほしいと感じたこと」として寄せられたフリーコメントを抜粋して紹介します。合否連絡の遅さやサイレント(編注:不合格になった旨の連絡が来ないこと)、圧迫面接、オワハラを挙げる学生が予想通り多い中、WEB説明会での顔出しやコロナ対策の強要に疑問を呈するコメントや、面接官同士での情報共有不足や「面談」名目での選考を指摘するコメントなど、企業として襟を正すべき意見も少なくありません。ぜひ他山の石としてください。
■採用する企業側に改善してほしいと感じたこと
- 面接結果のサイレントは絶対にやめてほしい。こちらは期待して待ってしまう。誠意を持ってほしい。結果報告まで正確な必要日数を設定してほしい(文系、上位私立大)
- 合否にかかわらず連絡が欲しい。サイレント通知をする企業はあまり印象が良くない(理系、その他国公立大)
- 採用結果は合否に関わらず、連絡してほしい。こっちは真剣に受けているのに無視されている感じがして悲しかったし、何よりメールが届いていないかもしれないなどのトラブルも気にしないといけない(文系、上位私立大)
- 不採用なら早めに連絡する、採用に至らなかった理由を簡潔にでもよいので就活生に伝える、就活生は給与や福利厚生について詳しく聞きにくいため、説明会では給与やボーナスについて詳細に教える――といったことを行ってほしい(理系、中堅私立大)
- 最終面接の結果は合否にかかわらず1週間以内に必ず連絡してほしい。のちのち変更があっても構わないので、エントリーシート選考を通過した応募者に対して、最終面接または内定の予定の日付を提示してほしい(文系、中堅私立大)
- 合格者より不合格者への連絡が極端に遅いこと(理系、旧帝大クラス)
- 圧迫面接はやめてほしい(文系、その他国公立大)
- 圧迫面接する会社は本当に改善してほしいと思った。会社はお客さまがいてこそ成り立っているのに、面接の時の人事のせいで就活生が“その会社の商品をもう一生買わない”となるので、もう少し企業は人事の配置を考えたほうがいいと思う(文系、中堅私立大)
- 内定承諾期間をもう少し長くしてほしい(文系、上位私立大)
- 企業によって内々定承諾期間が短いことや、選考に時間がかかりすぎること(文系、上位私立大)
- オワハラをするのはやめてほしい。たとえその企業が第一志望だとしても、オワハラをされるのは精神的にきついし、入社後にもハラスメントがあるのかと考えてしまう(文系、上位国公立大)
- オワハラをやめてほしい。後付け推薦(編注:内々定直前のタイミングで、指導教官等からの推薦状を求めること)などは教授に頼まなくてはいけなくて、その後の辞退がしづらく、精神的に追い込まれた。学生にも自分のやりたいことをやりたい場所でする権利があると思うので、そういうことをしないでほしいと強く思った(理系、上位私立大)
- コンプライアンス遵守、ハラスメントの防止徹底(文系、中堅私立大)
- インターンシップを授業時間とかぶせてくること(文系、早慶大クラス)
- 数行のエントリーシート、数分の面接で人間性が本当に分かっているのだろうか、うそのつき放題で、うそを悪気なくつける人が強いのが就活だと思いました(文系、早慶大クラス)
- フィードバックはどの面接でも企業側から積極的にしてほしい(文系、中堅私立大)
- エントリーシートをほとんど読んでいないような面接官が非常に多かった。忙しいだろうし分からなくもないが、熱意をかけて作成したものだから少しは目を通してほしい(文系、早慶大クラス)
- 面接官に情報がしっかり回っていないと感じた(理系、旧帝大クラス)
- 複数回の面接の内容は引き継いでほしい(文系、中堅私立大)
- 早すぎる早期選考には疑問を感じる。気持ちばかり焦ってあまり広く業界を見られず、適切な企業選択や業界選択ができなかったと後悔している部分があるため(文系、上位私立大)
- WEBでの説明会なら、顔出しはしなくてもいいと思う。特にしなければいけない理由もないのに、なぜ顔出し強制なのか分からない(文系、上位私立大)
- 競合他社を下げてまで自社の優位を主張することは避けてほしいです(理系、上位国公立大)
- 給与面の説明をしてほしい。初任給だけではなく給与テーブルも開示してほしい(文系、上位私立大)
- 手書きの履歴書をやめてほしい(文系、中堅私立大)
- 対面で面接を行うなら交通費を負担してほしい(文系、その他国公立大)
- オンライン面接で使うツールをZoomに統一してほしい(文系、上位私立大)
- 面接の予約枠は、あらかじめその人数に合った分を用意してほしい。足りなくなることが分かっているのだから、そこについては予測しておくべき(文系、早慶大クラス)
- 「私服可」「スーツ必須」など、一言でいいので添えてほしい。面接はまだ分かるが、筆記試験などの時は非常に迷う。不安でスーツを着て行ったら、9割が私服だったこともよくある(文系、早慶大クラス)
- 学生同士の交流ができるイベントがもっとほしい(文系、上位私立大)
- OB訪問について、一部の人が利用できるものではなく、よりオープンなものにしてほしい(文系、早慶大クラス)
- コロナ対策を強要するのはいい加減やめてほしい(理系、その他国公立大)
- 名目上「面談」と書いているのに面接を行ったり、関係ないと言いながら評価をつけたりすること。また、面接に態度の悪い、コミュニケーションが苦手な社員を担当者にするのはやめてほしい(文系、その他国公立大)
- 採用フローが不透明な企業が多いと感じた。自分の周りでも、選考要素がないとされる面談で不合格になるなど、建前と実際に行っている採用活動に乖離があるというケースが多々見受けられた(文系、早慶大クラス)
内定辞退を撤回した理由とは
最後に、内定を辞退する意思があったにもかかわらず、決断を一転して内定承諾に変更したことのある学生から寄せられた、その理由に関するコメントを紹介します。やはり多かったのは「第一志望に落ちたから」と「内定をキープしておきたかった」という理由ですが、中には親ではなく「親戚の評価」を挙げるコメントも見られました。
■内定辞退を撤回し、内定承諾に変更した理由
- 第一志望の企業に落ちてしまったため(文系、上位国公立大 ほか多数)
- 内定をキープしておきたかったため(文系、中堅私立大 ほか多数)
- 辞退する際、電話で辞退理由として勤務地を挙げたところ、自分の希望する場所でよいと言っていただいた。人事の人柄の良さが伝わったため(理系、その他私立大)
- 迷った末に泣く泣く内定辞退をしたが、社員と会って話した結果、「ここに行きたい」という本心があふれてしまい、辞退を撤回した。無理に自社に来るように説得されなかったことも、気持ちが変わった一因(文系、上位私立大)
- やっぱり行きたいと思ったから(理系、その他国公立大)
- 支店訪問を経て、雰囲気が自分に合っていると気づいたから(文系、上位国公立大)
- 福利厚生や給与などを踏まえて、入社後の生活を想定してみたため(文系、早慶大クラス)
- 選考を受けているうちに、そこが最も自分で納得できそうな就職先であったと考えたから(文系、早慶大クラス)
- 直前になって辞退することに不安を覚えたため(文系、早慶大クラス)
- いろいろと調べて検討した結果そうなった(理系、早慶大クラス)
- 親戚の評価(文系、上位私立大)
次回は、2025年卒採用に向けた調査結果を報告します。
寺澤 康介 てらざわ こうすけ ProFuture株式会社 代表取締役/HR総研 所長 1986年慶應義塾大学文学部卒業、文化放送ブレーンに入社。営業部長、企画制作部長などを歴任。2001年文化放送キャリアパートナーズを共同設立。2007年採用プロドットコム(ProFuture)を設立、代表取締役に就任。約25年間、大企業から中堅・中小企業まで幅広く採用コンサルティングを行ってきた経験を持つ。 著書に『みんなで変える日本の新卒採用・就職』(HRプロ)。 https://www.hrpro.co.jp/ |