女性目線で健診見直しへ 厚労省の検討会、初会合

 厚生労働省は5日、事業者に義務付ける法定健康診断に関し、女性の就業率上昇などを踏まえた内容に見直すべきかどうか専門家で議論する検討会の初会合を開いた。月経困難症や更年期障害といった、女性特有の健康問題を問診項目に追加することなどを議題とし、2024年度中に報告書をまとめる。
 検討会には医師や大学教授のほか、連合や経団連の代表者が参加した。厚労省の小林洋子安全衛生部長は、急速な高齢化にも触れ「労働者の健康を取り巻く状況は変化している」と指摘し、活発な議論を求めた。
 厚労省によると、事業者は労働安全衛生法に基づき、従業員の健診を年1回実施するよう義務付けられている。検査の内容も指定されているが、現状では、女性特有の健康問題を対象とした項目はない。
 日本医療政策機構は3月、月経痛などに伴う効率低下で年間約3628億円の経済的損失が出ているとの試算を公表。女性の就労や管理職登用を推進する政府は、健診見直しを含めた対策が必要との見解を示している。
(共同通信社)