社会保険労務士法人名南経営 特定社会保険労務士・産業カウンセラー
A5判/208ページ/2200円+税/日本実業出版社
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 介護離職者10万人時代と呼ばれる昨今、厚生労働省では、すべての企業に対し、40歳となった従業員全員に介護休業などの支援制度を周知することを義務づける方針を固めている。企業の人事・総務担当者にとって、介護休業における社内制度の整備と従業員への働き掛けは急務であるといえるだろう。本書では、そうした実務に不安を覚える方でも安心して対応できるよう、介護休業制度の基礎から、社内規程や社内様式の整備の進め方、社員への周知方法に至るまで、順序立てて丁寧に説明がなされている。
■ 本書は五つのChapterからなる。Chapter1では育児・介護休業法に定められている「家族の介護」に関する制度の基礎的な内容を説明し、Chapter2では社内規程を整備する上でのポイントについて、厚労省の規定例などを取り上げながら解説している。Chapter3では介護休業中の収入をテーマとし、社会保険の手続き等について触れている。最後のChaper4~5では、従業員・管理職それぞれに向けた、諸制度への理解を深める説明の仕方を紹介している。各Chapterで紹介している規程例や社内様式、社員向けの説明用資料などは、付録として一式ダウンロードができるため、実務にすぐさま活用可能である。
■ 本書では、100ページ以上(全体の約半分)の紙幅を費やし、育児・介護休業規程の整備ポイントを解説している(Chapter2)。このパートをしっかりと読み込めば、実務担当者にとって最も労力を要するであろう規程の策定や社内様式の作成を、スムーズに行うことができるはずだ。また、随所に盛り込まれているQ&Aでは、「介護休業の途中に対象家族が要介護状態ではなくなったら介護休業はどうなる?」など、具体的なケースを想定した疑問点を多数取り上げており、かゆいところにも手が届く一冊となっている。
内容紹介 定年延長、雇用確保などにより、今後、企業が必ず直面することになる、従業員の「親や配偶者、子どもの介護×仕事」の両立支援について、総務担当者が知っておきたい実務をわかりやすく解説。 Chapter1 仕事と介護の両立を支援する制度の整理 |