2024年01月12日掲載

BOOK REVIEW - 『図解入門ビジネス 最新 労働基準法がよ~くわかる本』

貫場恵子 著
ぬきば労務コンサルティング株式会社代表取締役 
A5判/264ページ/1600円+税/秀和システム 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 今日、さまざまな企業や組織にとってコンプライアンス(法令遵守)は最重要事項の一つである。しかし、日々の実務に追われ、労働に関する法改正の内容理解や対応が後手に回ってしまう人事・労務担当者も多いことだろう。本書は、「図解でよ~くわかる」の文言通り、令和5~6年の改正に対応した労働基準法と同関連法、それらに付随する制度について、図表を多角的に用いて簡略的に、しかしながら要点を余すことなく解説している。

■ 本書は全10章構成。「労働基準法の役割」「労働契約」「賃金」「労働時間、休憩、休日」などの章立てで、確認したいトピックから読み進めることも可能だ。いずれの章でもイラストやフローチャートなどの図表が多く挿入され、事案ごとの手続き上の留意点や理解を深める「ポイント」も豊富に掲載されており、人事・労務関連業務の経験が浅い読者でも内容を理解しやすい。賃金のデジタル払い、裁量労働制の改正など、近時のトピックスも取り扱い、最新の労基法に係る内容が網羅されている。巻末には労基法の法改正情報、労働条件通知書、36協定届の記載例、厚労省のモデル就業規則など、実務で活用可能な各種資料も付帯している。調べたい事柄を索引のキーワードから逆引きし、該当する章や項目を読むのも一法だ。

■ 労基法に関しては、300ページ超の関連書籍も多い中で、図表を多用しながら各重要事項をシンプルかつ明瞭な文章で説明している本書は、余裕がない人事・労務担当者、新任者でも時間をさほど要することなく読める構成となっている。「最新の労基法を知りたい」、「労基法で確認したい事柄がある」、「労基法について他部署の従業員に平易に説明したい」などのニーズを満たす、労基法の解釈書、指南書として役立てたい一冊だ。

図解入門ビジネス 最新 労働基準法がよ~くわかる本

内容紹介
労働基準法と実務で関連する法律が図解でよ~くわかる、人事・総務担当者必見の一冊。

求人から採用、退職の流れに沿って、雇用関係、賃金、休日・休暇、労働時間など、するべき手続きや注意点、中小企業に求められる「時間外労働の上限規定」や「時間外労働の割増賃金」に対応するための対策もわかりやすく掲載。
「人材は最も重要な経営資源」という著者の考えのもと、労働基準法の基本に加え、今時の業務においては必要となる周辺の法律や制度(育休/出産育児一時金の改正、賃金デジタル払い、割増賃金率、障害者雇用等)のポイントも押さえられる内容となっています。