2024年01月12日掲載

BOOK REVIEW - 『新・マテリアル人事労務管理』

江夏幾多郎、岸野早希、西村 純、松浦民恵 編著
B5判/184ページ/3000円+税/有斐閣 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 本書は、初版2000年、新版2006年発行の『マテリアル人事労務管理』について、新たな編著者・執筆者陣により、章構成や項目立てを刷新したものである。佐藤博樹氏、藤村博之氏、八代充史氏による先行書に対して、本書は複数の若手研究者(研究経験年数が10年程度かそれ未満、かつ一定の研究業績を有する者)が、人事労務管理をめぐる100のトピックに関して、実態を表す“マテリアル”(グラフや数表、概念図など)を提示し、人事労務管理を構成する規則や行動、定義、データ、事例などの各項目を1~2ページで解説する。

■ 本書は全12章に分かれている。例えば、「人事労務管理と企業経営」「雇用管理」「能力開発」「多様な就業と雇用」といった章が立てられ、各章6~10のトピックで構成される。「役職と社員等級」「人事評価の要素」「賃金の決定基準」「労使関係と労働組合」といった一般的なトピックから、「キャリア自律を活かす仕組み」「兼業・副業」「学び直し」「リモートワークの形式と普及」「雇用によらない人材活用」など、近年のホットトピックも取り上げる点が特徴の一つだ。

■ 人事労務に携わる者であれば知っておきたい資料を包括的に紹介しており、かつ、各トピックの背景や現在の状況をグラフや図表とともに簡潔にまとめているため、辞書のように本書を用いることもできるだろう。そのほか、本書に収録されている図表データはダウンロード販売が予定されており、社内説明資料など各種資料作成への活用も容易にできるだろう。人事労務初任者のみならず、人事労務管理に関する研究を志す大学院生などのバイブルとして、本書を積極的に活用いただきたい。

新・マテリアル人事労務管理

内容紹介
230余の図表が語る日本の人事労務管理の「いま」

人事労務管理をめぐる100のトピックに関して、実態を表す“マテリアル”(グラフや数表、概念図など)を提示し、1~2頁ずつで解説する。
章構成や項目立てを刷新したリニューアル版。
グラフや数表のロー(raw)データのセットもダウンロード販売を予定。

第1章   人事労務管理と企業経営
第2章   人事労務管理と従業員
第3章   社員等級制度
第4章   雇用管理
第5章   企業内キャリア形成
第6章   人事評価
第7章   報酬管理
第8章   能力開発
第9章   労働の時間と場所
第10章 従業員の生活支援
第11章 労使関係
第12章 多様な就業と雇用