B5判/184ページ/3000円+税/有斐閣
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 本書は、初版2000年、新版2006年発行の『マテリアル人事労務管理』について、新たな編著者・執筆者陣により、章構成や項目立てを刷新したものである。佐藤博樹氏、藤村博之氏、八代充史氏による先行書に対して、本書は複数の若手研究者(研究経験年数が10年程度かそれ未満、かつ一定の研究業績を有する者)が、人事労務管理をめぐる100のトピックに関して、実態を表す“マテリアル”(グラフや数表、概念図など)を提示し、人事労務管理を構成する規則や行動、定義、データ、事例などの各項目を1~2ページで解説する。
■ 本書は全12章に分かれている。例えば、「人事労務管理と企業経営」「雇用管理」「能力開発」「多様な就業と雇用」といった章が立てられ、各章6~10のトピックで構成される。「役職と社員等級」「人事評価の要素」「賃金の決定基準」「労使関係と労働組合」といった一般的なトピックから、「キャリア自律を活かす仕組み」「兼業・副業」「学び直し」「リモートワークの形式と普及」「雇用によらない人材活用」など、近年のホットトピックも取り上げる点が特徴の一つだ。
■ 人事労務に携わる者であれば知っておきたい資料を包括的に紹介しており、かつ、各トピックの背景や現在の状況をグラフや図表とともに簡潔にまとめているため、辞書のように本書を用いることもできるだろう。そのほか、本書に収録されている図表データはダウンロード販売が予定されており、社内説明資料など各種資料作成への活用も容易にできるだろう。人事労務初任者のみならず、人事労務管理に関する研究を志す大学院生などのバイブルとして、本書を積極的に活用いただきたい。
内容紹介 人事労務管理をめぐる100のトピックに関して、実態を表す“マテリアル”(グラフや数表、概念図など)を提示し、1~2頁ずつで解説する。 第1章 人事労務管理と企業経営 |