再雇用拒否の無効が確定 函館バスの上告退ける

 函館バス(北海道函館市)の労働組合「私鉄総連函館バス支部」委員長の黒滝浩二さん(62)が、組合業務などを理由に再雇用を拒んだ会社の対応を違法と訴えた訴訟で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は12日までに、会社側の上告を退ける決定をした。10日付。
 一審函館地裁の判決を支持して再雇用拒否を無効とし、未払い賃金の支払いを命じた昨年8月の二審札幌高裁判決が確定した。函館バスは取材に「担当者が不在でコメントできない」とした。
 二審判決によると、黒滝さんは2020年11月、組合活動のため組合員が申請した有給休暇を組合休暇に振り替えたとして、出勤停止の懲戒処分を受けた。振り替えは会社側の労務担当者の協力を得ていた。その後、黒滝さんは定年後の再雇用を希望したが、会社側は拒否した。
 二審判決は、黒滝さんの行為は就業規則の懲戒事由に当たらず、同社による再雇用拒否は「社会通念上相当だと認められない」と判断した。
(共同通信社)