公的年金0・4%分目減り 賃金、物価に追い付かず 2年連続、政府

 厚生労働省は19日、2024年度の公的年金の支給額を、23年度に比べ2・7%増額すると発表した。賃金や物価の伸びには追い付かず、基準となる賃金上昇率3・1%から実質的に0・4%分目減りする。目減りは2年連続。将来の受給水準を維持するためだが、高齢者の家計には痛手となる。
 68歳以下(1956年4月1日より後に生まれた人)の場合、自営業者らが受け取る国民年金(基礎年金)は、保険料を40年間納めた満額で月6万8千円(2023年度比1750円増)。会社員ら向けの厚生年金は、平均的な給与で40年間働いた夫と専業主婦のモデル世帯で、夫婦の基礎年金も含め月23万483円(同6001円増)となる。
 69歳以上(1956年4月1日以前に生まれた人)の国民年金は、満額で月6万7808円(同1758円増)。
 目減りするのは、少子高齢化の進み具合に応じて年金額を抑える仕組み「マクロ経済スライド」が働くためだ。
 年金額は賃金や物価の変動に応じて毎年4月に改定され、6月の受け取り分から反映される。
 国民年金の保険料見直しも発表。2024年度は月1万6980円となる。厚生年金の保険料率は18・3%(労使折半)で変わらない。
(共同通信社)