A5判/240ページ/2200円+税/三修社
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 外国人雇用に着手したいが、何から進めればよいか分からない――と悩む人事・労務担当者は少なくないだろう。人材不足解消に向け、外国人雇用が果たす役割は年々大きくなっているが、入管手続きや就労後の労務管理などで専門的なノウハウが求められ、生活習慣や文化の違いへの配慮が必要となるなど、実行する上でのハードルが高いのが現状だ。本書は、外国人雇用の第一歩を踏み出すために、手続きや法律知識、トラブル対応に至るまでの必要な知識を分かりやすく広範に解説している。
■ 本書は全5章構成。第1章では入管法の全体像の把握から始まり、在留資格、特定技能1・2号、受け入れ支援機関、技能実習制度など、外国人雇用に係る諸事項を幅広く取り扱う。令和5年の入管法改正をQ&Aを交えて解説し、留学生をアルバイトや社員として雇う場合の注意点にも触れるなど、外国人雇用時の基礎知識が集約されている。第2章では出入国管理の申請手続きを取り上げ、冒頭で在留手続きの概要を説明した後、在留資格認定証明書交付申請書、在留期間更新許可申請書、在留資格変更許可申請書、永住許可申請書についての記入例を掲載している。最も紙幅を割く第3章では雇用や労務管理、続く第4章では社会保険や労災などの法律問題について、留意点を中心に解説している。第5章ではトラブル時の相談先と解決法について簡略にまとめている。
■ 外国人を雇用する前の予備知識や準備、雇用した後の諸対応までを網羅している点が、本書の大きな特長である。外国人雇用についてゼロから学びたい読者は第1章から、雇用後の労務管理について知りたい読者は第3章からなど、外国人雇用の実務で必要となる事柄に係る章から読み進めるのも一法だ。「事業者必携」と銘打っているが、外国人の雇用労務管理を担う人事担当者にも入門書、業務の手引きとして活用してほしい。
事業者必携 最新 入管法・出入国管理申請と外国人雇用の法律知識 内容紹介 退去強制や難民認定などについて、令和5年の入管法改正や現在検討されている技能実習制度の見直しの問題に対応。 |