厚生労働省は30日、従業員300人超の企業に勤める女性の平均賃金が男性の69・5%にとどまるとの集計結果を公表した。女性活躍推進法に基づき2022年7月、男女の賃金格差の開示を義務付けており、結果を初めてまとめた。男性が賃金の高い管理職に多く、勤続年数も長い傾向があることが要因とみられる。厚労省は格差の是正を目指す。
開示義務の対象となる300人超の1万7370社のうち、19日時点で厚労省開設の「女性の活躍推進企業データベース」などで公表している1万4577社の情報をまとめた。開示義務に違反しても罰則はなく、2793社では情報開示を確認できなかった。
男性の賃金に対する女性の賃金を雇用形態別で見ると、正規では75・2%、非正規では80・2%だった。
厚労省は、女性が出産や育児を経ても働き続けられる環境の整備や、女性の管理職登用を進め、格差是正を図りたい考え。2793社に対しては開示の意向確認や指導を進める。
共同通信の調査では、企業がデータベースに誤った数値を入力したケースが判明。厚労省の担当者は企業の入力ミスは起こり得るとした上で、「把握できる態勢づくりを進め、誤りを確認した場合は修正を求めたい」としている。
(共同通信社)