2024年02月22日掲載

BOOK REVIEW - 『ネガティブフィードバック 「言いにくいこと」を相手にきちんと伝える技術』

難波 猛 著
マンパワーグループ株式会社 シニアコンサルタント 
四六判/328ページ/1500円+税/アスコム 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 職場のリーダーであれば、時には部下への厳しいアドバイスが必要となる場面もあるだろう。しかし、そもそもネガティブな意見を相手に伝えるのは難しいもの。ましてや、近年ではパワハラになることを恐れ、「言わぬが花」の状態になってしまっているリーダーも多いのではないだろうか。本書は、「上司が部下に厳しいことを伝え、部下も上司と納得できるまで話し合う」という双方向のコミュニケーションである“ネガティブフィードバック”のメソッドを紹介したものである。研修講師、人事コンサルタントとして2000人以上への管理職トレーニングなどの実績を持つ著者が、その知見を盛り込んで解説している。

■ 9章構成の本書の中で、核となるのは、ネガティブフィードバックを成功させるメソッドを記した第5章と第6章である。第5章では、「嫌われることを覚悟する」「感情をこめるが感情的にならない」など五つのマインドセットを紹介し、第6章では、「『ギャップが存在している』ことに合意を得る」「『認知的不協和』を創らないと人は変わらない」など五つのスキルセットを解説している。また、第7章では、多くのリーダーが気になるであろう「パワハラにならない伝え方のポイント」を説明するなど、幅広い観点からネガティブフィードバックの実効性を高めるアドバイスがなされている。

■ 心理学やキャリア論の考え方を豊富に紹介していることも本書の特長だ。人の心の動きや行動に至るプロセスなどを理解しながら読み進めることができるため、ネガティブフィードバックの必要性や効用への納得感も高まるはずだ。本書を活用することで、「耳の痛い話」を上手に伝えながら、部下のパフォーマンスアップにつなげてほしい。

ネガティブフィードバック 「言いにくいこと」を相手にきちんと伝える技術

内容紹介
・言いにくいことを落ち着いて伝えられる
・部下との関係性が最終的には良好になる
・部下が自律的に成長する

部下から嫌われない、部下が成長する、部下がやる気を出す、パワハラ予防にも役立つすごいメソッド、それが「ネガティブフィードバック」です。

3000人以上のキャリア支援を行ってきた著者が培ってきたノウハウに加え、心理学やキャリア論のロジックも活用しながら構築しました。

「若い社員に厳しく指導して、辞められると困る」
「年上が部下になり、どういう言い方をすればいいか分からない」
「もっと部下に成長して欲しいが、パワハラのリスクもあり強く言えない」
「ベテラン社員に仕事のやり方を変えて欲しいが、プライドを傷つけずに上手く伝えたい」

こうしたお悩みをお持ちの方に、ぜひ実践していただきたいメソッドです。