株式会社SP総研 代表取締役
A5判/288ページ/2500円+税/すばる舎
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 人的資本経営の実践に際し、「人的資本の開示」や「従業員満足度やエンゲージメントの向上」などは重要なトピックであり、それらの実現や改善、解決に日々苦心する企業、人事・労務担当者も多いだろう。本書は、人的資本経営にかかわる諸項目について、「持続可能(サステナブル)か」という観点から考察していく。HRテクノロジーの活用法について触れた上で、HR施策の実践例を交えて実務者が取り組むべき方策、人的資本経営の展望などを詳説している。
■ 冒頭、著者は「持続可能な働き方」の重要性と、そこから派生するウェルビーイング、そして従業員体験としての「自律的キャリア」の必要性を説いている。これらを読者に意識づけながら、第1章で日本の人事が直面する課題や2023年までと2024年以降のトレンド、人的資本開示とコーポレートガバナンス・コードなどについて、見解や展望を述べている。第2章では、日本社会や日本企業、そして日本におけるビジネスパーソン個人の共通的な問題に触れ、著者自身の体験を介して「日本企業に何が欠けていたのか」を論じている。
■ 第3章ではHRテクノロジーの活用法を解説する。同章はシンガポールでの先進的な取り組み事例のほか、HRテクノロジーの種類や特徴などを広く扱っており、HR領域におけるテクノロジー活用に向けた入門パートとしても役立つ。第4章ではHR施策の実践例として、「ジョブ型」に関する誤解について言及した上で、人事部門が取り組むべき具体的事項、人的資本経営時代に求められるスキルへと論を展開している。同章の最後には国内3社の取り組み事例が掲載されている。人事担当者でなくても、「持続可能な働き方」の実現に向けて、自分が何をすべきか確認できる1冊だ。
最新のHRテクノロジーを活用した 人的資本経営時代の持続可能な働き方 内容紹介 HRテクノロジーは何を助け、実現できるのか? CONTENTS |