名古屋産業大学現代ビジネス学部経営専門職学科准教授、地域連携センター長
四六判/224ページ/2000円+税/ミネルヴァ書房
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 「長期実践型インターンシップ」は、1カ月以上の期間、専属のコーディネーターが学生と企業の伴走支援を行う形式のインターンシップのことで、企業の事業価値の向上と、学生の教育効果の実現の両立を図る取り組みである。参加者である学生は、通常のインターンシップよりも長期間にわたって企業や組織で実務に触れることによって、キャリア形成のための貴重な体験や有用な気付きを得ることが期待される。一方、学生を受け入れる側は、多種多様なプロジェクトを用意することが求められる。本書は、学生に向けてインターンシップの本質や意義を伝える入門書であるが、企業の採用担当者に対しても、長期インターンシップの効果と、有益なインターンシップとは何かを示している。
■ 第1章は、インターンシップの概要や概念を解説する。アルバイトやボランティアとの違いのような基本事項や、インターンシップの類型などを詳説しており、参加予定の学生や、学生を受け入れ予定の人事実務初任者が「インターンシップとは何か」を学ぶのに役立つ。第2・3章では、本書の主題である長期実践型インターンシップを大きく扱う。これら二つの章には、実際のプロジェクト事例や長期インターンシップ経験者のアンケート結果に加え、参加後の大学生活やキャリア形成、就職先選択等にどのように生かされたかを社会人に尋ねたインタビューなど、参加者・経験者の声を読者に直に伝える事例が多数収録されている。
■ 第4章では、学生、大学教員、コーディネーター視点での「良い・悪いインターンシップ」について言及し、第5章では有益なインターンシップにするための秘策を解説する。本書を通読することで、学生はインターンシップに臨む際の心構えや姿勢を学び、参加に向けた意欲がより高まるだろう。同様に企業の採用担当者は、「学生たちが何を求めてインターンシップに参加するのか」を確認できるはずだ。
内容紹介 インターンシップの特徴、経験者の追跡調査から得られた証言やアンケート結果、さらには学びを最大化するための必要なエッセンスを紹介する。 [ここがポイント] |