元TDLダンサー請求棄却 過重労働、時効理由に

 東京ディズニーランド(TDL、千葉県浦安市)で1995~96年にダンサーをしていた大川英典さん(56)が、過重労働で膝に不具合が生じたとして運営会社オリエンタルランドに約2億円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、千葉地裁は19日、消滅時効を理由に賠償請求を棄却した。
 大川さん側によると、TDLでパレードに出演したが、膝の痛みで退職。「両膝蓋靱帯炎」と診断され、労働基準監督署から2005年に労災認定を受けた。同社が安全配慮義務を怠ったために休業損害などが生じたとして、19年に提訴した。
 岡山忠広裁判長は判決理由で、両膝蓋靱帯炎を「業務に起因し発症したと認める余地がある」と指摘。一方で賠償請求権は民法上、症状の改善が見込めなくなった1999年8月から10年で消滅すると判断した。
 同社は「主張が認められた」としている。
(共同通信社)