明治大学法学部教授
四六判/322ページ/2700円+税/有斐閣
BOOK REVIEW ―人事パーソンへオススメの新刊
■ 私たちを取り巻く環境は日々変化している。それは「働く世界」も同様だ。ワークルールが広範に変わる中で労働法を学ぶことは、より安心して働くことにつながる。本書は、働く人(労働者)、働いてもらう人(使用者)など、働く世界に生きるすべての人が知っておくべき労働法の知識を、さまざまな働き方・立場を踏まえ網羅的に整理したものだ。単なる労働法の解説書ではなく、異なる年齢・性別・雇用形態の登場人物の視点で、関連する法の枠組み・ルールを取り上げている。例えば「会社で働く」ケースでは、入社から退職、労働条件の設定、トラブル時の対応など、基礎的な知識を得られるため、新入社員や新任管理職・人事担当者の研修にも活用できる。
■ 第Ⅰ章では法制度の基本的な枠組みを解説。第Ⅱ章では雇用形態別の働き方について、正社員、アルバイト・パート、派遣、フリーランスだけでなく、海外就労や副業、さらには使用者側の立場からも紹介している。第Ⅲ章では労基法や均等法など会社で働く上で関わる個別の法律を、第Ⅳ章では労働組合や公的機関等、トラブルを抱えた場合に相談できる社内外の窓口を取り上げている。
■ 9人の登場人物を起点に具体的なケースから、問題となる「しくみとルール」が平易に解説されており、タイトルどおり “労働法の入門書” としてはもちろん、リモートワークや副業など最近のトピックにも対応しているため、知識のアップデートにも有効だ。法律の規定についても詳細に説明されており、改めて労働法をおさらいしたいベテラン人事担当者の助けにもなるに違いない。「働く世界のしくみやルールを知ってもらうことで、みなさんが互いに安心して明日を生きるためのサポートになれば」という筆者の思いが込められた、すべての働く人に寄り添う一冊だ。
内容紹介 「働く」を取り巻くしくみとルールは、私たちの生活・社会をどのように支えているのか。 働く中で抱えるさまざまな思いや悩みに寄り添いながら、知り、考えていく、今この時代のための労働法の入門書。 労働法を学ぶ方はもちろん、働く中で法律について知りたいと思っている方など、「働く」に関わるすべての皆さんに。 |