BOOK REVIEW - 『リーダー1年目のマネジメント大全』

■ チームやプロジェクトなど、さまざまな組織やコミュニティーにおいてリーダーの活躍は必要不可欠だ。しかしながら、最近は「リーダーになりたくない」人が増えている。その背景には、リーダーが抱える不安や仕事の難しさなどがあるのかもしれない。本書は、リーダー初任者を主な対象として、リーダーがやるべき仕事の内容や留意点などを網羅的に、かつ端的に伝える。

■ 本書は序章を含め全8章、104項目で構成される。序章では、リーダーとしてのあるべき姿やミッション、やりがいといった「リーダーとは何か」の心構えを学ぶことができる。第1～4章では、「メンバー」「チーム」「ビジネス」「サイクル」の各観点から、実務的なマネジメント術を詳説。リーダーである自分と周囲、メンバーとの関わり方に重きを置いた内容としている。第5章では「メンタル」、第6章では「セルフ」の観点で、リーダー個人として心身のレベルアップを図るためのノウハウを伝授する。

■ 第7章では、 “優秀なリーダー／残念なリーダー” の「モデルケース」を紹介する。第6章までの内容を踏まえて読むと、各ケースにおいて「どのようなポイントが優秀なのか／残念なのか」、強く納得することができるだろう。入社3年目にリーダーとなり、組織形態・規模を問わずさまざまなチームを約20年先導してきた筆者ならではの広い知見が、各項目の留意点やアドバイスに生かされている。課題や問題点の解決策、対応策が実務者目線で示されているため、現場ですぐに役立つ指摘も多い。イラスト図解で分かりやすい上、各章にチェックポイントが設けられているので再確認もしやすい。日々のマネジメントに不安を抱えるリーダー初任者の心強い一冊となるだろう。