2024年05月24日掲載

BOOK REVIEW - 『リーダーシップは「見えないところ」が9割』

吉田幸弘 著
リフレッシュコミュニケーションズ 代表 
新書判/208ページ/1000円+税/青春出版社 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 先行きが不透明とされるVUCAの時代では価値観の多様化から、リーダー個人の考え・判断だけで最良の結果を出すことは難しい。だからこそ、メンバー個々の能力を引き出し、チーム全体で結果を出すためのリーダーシップが必要となる。人材コンサルタントとして3万5000人の管理職育成に携わった著者の経験からすると、“できるリーダー” は皆、「見えないところ」を大切にし、部下のフォローや仕事の流れを整えることに重きを置くという。本書は、このようなリーダーの「見えない」部分にスポットライトを当て、著者の経験とノウハウを余すところなく詰め込んだ一冊である。

■ 第1章は「指示命令型リーダーシップ」から「共感型リーダーシップ(サーバントリーダーシップ)」にシフトする必要性を説き、第2~4章ではリーダーが部下や上司に向き合う際の個別具体的なポイントを列挙する。第2章では、Z世代の若手社員や役職定年後の年上の部下など、立ち位置に応じたアプローチ方法を詳述。第3章は部下へのフィードバック方法やメール・チャットでのコミュニケーション上の注意点等、第4章ではリーダー自身の上司や他部署との関わり方のポイントを示している。

■ 第5~7章は、リーダー自身の仕事上の工夫やルーティン・習慣を中心にまとめている。例えば不要な仕事を洗い出す方法、平常心の保ち方、成長につながる読書のコツ、部下が勝手に育つ職場にするための仕組みづくりなどだ。全編を通して、具体的な事例と実践的なアドバイスを満載した本書は、リーダーの在り方に関する指南書であることはもちろん、組織を率いる上での新たな指針を求める人事担当者にとっても多くのヒントが詰まっている。

リーダーシップは「見えないところ」が9割

内容紹介
若手社員である「Z世代」、役職定年や定年後の再雇用で増えている「年上部下」――どんな部下でも成長させるリーダーは、何をしているのか?

これまでに3万5000人の管理職の育成に携わってきた著者によると、これからは「指示命令型リーダシップ」ではなく「共感型リーダーシップ」が求められる時代。そのため、部下に直接命令して「やらせる」のではなく、部下が自主的に「やりたくなる」しかけをつくることが、リーダーの重要な役割なのだ。

人材コンサルタントが、リーダーがあえて「見えないところ」でやっている部下育成やチーム運営のヒントをまとめた一冊。