政府は定額減税のうち所得税の減税について、6月の給与から反映しない企業に対し罰金を科す可能性があるとの見解を示している。企業にとっては個々の従業員の所得や納税額が確定する年末調整を待って減税事務を行ったほうが効率的だが、そうしたやり方は法定の税額控除を反映させて給与を支払うよう義務付けた労働基準法に抵触する恐れがあるという。
罰金の可能性は、厚生労働省が4月26日の衆院財務金融委員会で、立憲民主党の桜井周氏の質問に明らかにした。桜井氏は、企業が6月以降の毎月の給与から差し引く手間を省くため、年末調整で納税者本人と扶養家族1人当たり3万円の減税を一度に差し引いた場合、法律違反になるかどうか質問した。
これに対し、厚労省は6月から減税を反映しない場合、税引き後の給与が本来支払われる額より少なくなるため労基法違反となる可能性があるとの見解を示した。悪質なケースは30万円以下の罰金が労働基準監督署から科されることになる。
(共同通信社)