2024年06月14日掲載

BOOK REVIEW - 『BUSINESS WORKOUT 主体的なチームを創る実践型プログラム』

株式会社HRインスティテュート 著/三坂 健 編著
株式会社HRインスティテュート 代表取締役社長 
四六判/216ページ/1500円+税/ディスカヴァー・トゥエンティワン 

BOOK REVIEW  ―人事パーソンへオススメの新刊

■ 多くの企業が抱える悩みの一つである、人材不足。残念ながら、今後しばらく解消される見込みは低く、人材獲得以外の打開策が求められる。そこで注力したいのが、在籍する社員一人ひとりの主体性の発揮を促し、組織の生産性向上を図ることだ。本書では、400社以上で社員育成と風土改革を支援してきたHRインスティテュートが提供する “「ワークアウト」=「社員の主体性を培う組織づくり」” を実現するための手段および実践方法を紹介する。

■ 第1章では、本書におけるワークアウトの概要と背景・目的を解説。第2章では、ワークアウトに取り組む上で重要な “その会社「らしさ」” と “「質のよい」経験学習サイクル” を軸に、ワークアウト実施に当たり意識したいポイントを整理する。例えば、「質のよさ」の定義は個人によって異なるため、個人の「らしさ」に着目し、その人にとって「質のよい」経験や対話、フィードバック、トレーニングの機会を提供することが重要であり、企業・個人双方の「らしさ」を掛け合わせることで組織も個人も成長していく、と説く。この共有認識の下、米国の教育学者デイビット・コルブ氏が提唱する「経験学習モデル」の4ステップをベースに、現場での実践をより意識した独自のステップに置き換えて、人材育成や組織開発の勘所を解説していく。続く第3章ではワークアウトの導入プロセス、第4章では2社の実践事例を紹介している。

■ 単なるワークアウトの解説にとどまらず、実際に機能させ効果を上げるための具体的なポイントや導入例も詳細に取り上げた指南書として、ワークアウト導入・運用の基盤を築くことが可能だ。人材育成に課題を抱える人事担当者はもちろん、組織づくりや後継者育成に奮闘する現場リーダーにも役立つだろう。

BUSINESS WORKOUT 主体的なチームを創る実践型プログラム

内容紹介
「らしさ」の追求と「質のよい」経験学習で
社員の主体性が培われる × 次世代リーダーが育つ

・主体的な人材を育成したい、チームを創りたい
・そんなチームを創り出せる “後継者” を育てたい

本書はこのような想いや問題意識を持つ方に向けて、ワークアウトの理論と実践方法をお伝えします。

本書で紹介するワークアウトは、「社員が主体性を発揮する組織」を実現するためのプログラムです。
実践を通じて具体的なアウトプット(成果)を生み出し、その過程で社員の主体性が育まれるという、事業と育成を掛け合わせた取り組みとなります。

結果を創出するだけではなく、人材を育成する研修だけでもない――。
その両方を同時に実現するための考え方やメソッドについて事例を交えながら解説します。